スタッフ紹介
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教授神田 英一郎Eiichirō Kanda
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教授鎌田 智有Tomoari Kamada
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准教授藤本 壮八Sohachi Fujimoto
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講師村尾 高久Takahisa Murao
教育重点及び概要
現在、日本は高齢少子化が急速に進行しており、社会制度だけでなく個人のレベルでも、疾病による負担が極めて大きな社会となると予想される。このような社会基盤の変動に対応するためには、高齢者が活躍できる生涯現役社会を目指し、健康寿命をいかに伸ばせるかが重要である。また、現役世代の健康管理は、従業員個人の問題だけではなく、企業や組織の利益にもつながり、ひいては次世代の社会基盤の維持に繋がる。そこで、全世代にわたる疾病の発症・進行を予防するため、健康管理学を推進する。
卒前教育
医学部教育は、医学生が医学知識を学ぶだけでなく、医師になることを明確に自覚し、医師になるための基本的な資質を学び、未来に向かって進んでいく心構えを備える重要な過程である。
健康管理学の授業では、健康管理、予防医学、疫学などに関する項目を担当する。網羅すべき専門的な医学知識と医療技術の範囲は広いため、医学生の勉強は試験に合わせた暗記に偏重したものになりがちである。しかし、医学を生涯学び続けるためには、「自ら調べ自ら考える」思考力と実行力が不可欠である。医学生が、基礎医学に基づいた臨床医学など、多様な医学知識を統合し、高い問題対応能力を身に着けることを目標とする。
卒後教育
大学院教育の重要性は、科学的方法論・思考法、深い学識および高い倫理観を養うことにある。そこで、大学院生が、専門領域の最先端医療を極め、リーダーとして指導的役割を果たせるようになることを目標とする。
医学研究は人類愛に基づき、医科学領域における深遠な真実探求への持続的関心と強い意志で推進されなければならない。そこで、大学院生は、専門医として必要な知識と経験をベースにした研究テーマを担当する。そして、研究を完遂した暁には、研究者として独り立ちするだけでなく、医学情報の解釈力、解析データの整理能力、洞察力、そしてプレゼンテーション能力など、多彩で重要なスキルを身につけることができる。これらのスキルは、臨床や日常生活でも活用できる一生役立つツールとなる。
研究分野及び主要研究テーマ
健康管理学講座では総合的に健康を管理するため、様々な分野のエキスパートが集まっている。そこで、各研究者が専門性を生かしつつ協力し、様々な疾患の発症と進行を抑制するため、ビッグデータと最先端データサイエンスを生かした研究を行っている。
研究テーマ
- 生活習慣病に関する研究
①健康診断ビッグデータを基盤とした治療パターンと医療費の研究
②高齢者の生活習慣に対するウェアラブル端末の効果の研究
- 慢性腎臓病のビッグデータを活用した研究
①慢性腎臓病の治療AIの開発
②慢性腎臓病の数理学的モデルの開発
③慢性腎臓病進行のリスクファクターの研究
- 自己免疫性胃炎に関する研究
①診断基準の確立に関する研究
②胃神経内分泌腫瘍の治療指針に関する研究
③臨床病理学的所見に関する研究
- ヘリコバクター・ピロリ感染に関する研究
①「胃炎の京都分類」から見た感染動態の調査
②高度萎縮性胃炎における自己免疫性胃炎との関連
大学院生学位テーマ
「フジツボ様胃病変の臨床病理学的所見と胃癌発生との関連について」
本研究では、除菌後に発生する新たな内視鏡所見であるフジツボ様胃病変の臨床病理学的特徴とその意義、特に除菌後の胃癌発生リスクについて検討する。