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小児外科学教室

スタッフ紹介

小児外科の診療

 小児外科学は外科学における重要な領域の一つです。一方、小児医療の中では、小児内科と連携しながら、小児の医療分野で非常に重要な位置を占め、小児特有の病態、生理に基づいた外科治療を行っています。
 診療は新生児(一部胎児も含む)から中学生までの年齢が対象となります。具体的には、

  1. 新生児の外科治療(消化器、呼吸器、泌尿器の発生異常に基づく疾患)
  2. 小児消化器、肝胆道系の外科治療
  3. 小児肺、漏斗胸の外科治療(心臓は除く)
  4. 小児泌尿器外科
  5. 小児頭頚部外科(脳外科は除く)
  6. 小児固形腫瘍
  7. 小児救急外科

から成り立っています。幅広い領域が含まれており、多彩な疾患に対応しております。
 その中でも、当科は胸壁異常、特に漏斗胸の治療が特徴として挙げられます。漏斗胸の手術は学童期から成人まで行っています。手術件数は年間に約100件です。全国でも最も手術件数の多い施設の一つです。
 また、低侵襲の手術にも取り組んでおり、そけいヘルニアや虫垂炎の手術は全例腹腔鏡を用いています。他にも小児に対する腹腔鏡の治療を積極的に行っております。

卒前、卒後教育

 卒前教育の基本方針は外科学と小児科学を基礎において、小児外科の特殊性を十分理解してもらうことと考えております。3学年の腎・尿路系と4学年の小児系のブロック講義で、小児外科全般における講義を行います。5学年と6学年では、臨床小グループ実習において、指導教官のもとで診療に参加してもらいながら、患者さんの治療に関して自ら考え実践できるような技術を身につけてもらうことができるよう指導しております。また、系統講義で使用した資料を基に、小児外科全般の理解を深めてもらいます。
 当院の卒後臨床研修においては、初期研修の2年間で外科系を選択したひとはもちろん、内科系を選択した場合でも小児外科の研修をすることができます。卒後臨床研修では臨床の最前線に立って患者さんやその家族と応対し、治療方針決定に関与していきます。個々の症例を深く研究しながら、小児医療の楽しさと厳しさを学ぶことを目指しています。後期研修で外科専門医を目指す研修医には外科的手技に関する経験を積んで、 小児外科の基礎的な検査や治療法を学んでいきます。

研究分野および主要研究テーマ

 小児外科教室では主に以下の研究を行っています。

1)消化器の機能的運動機能異常の組織学的研究

 腸管の自律神経系の発生異常としてみられるヒルシュスプルング病の病態とその発生を研究します。その他にも、機能的腸閉塞をきたす疾患、慢性便秘の病態解明と治療に関する研究、胃食道逆流症の病態に関する研究も行っています。

2)漏斗胸における呼吸循環系の病態解明と低侵襲手術

 最近、漏斗胸に対する新しい低侵襲手術(Nuss法)が開発されました。わが国においてこの手術を最初に導入し、最も多い手術を行っております。当科では漏斗胸では胸郭変形に伴う呼吸、循環障害の病態を検討しています。

3)先天性泌尿器疾患の治療と機能的予後

 小児泌尿器疾患(水腎症、膀胱尿管逆流症、尿道下裂など)における出生前診断と出生前の治療についての研究、ならびに生後の治療時期と最適な手術法を腎機能の観点からの研究を行います。

4)小児における内視鏡手術の開発

 低侵襲手術を目指し、あらゆる手術において鏡視下手術の可能性を追求し、新しい術式の開発、鏡視下手術の技術開発を行います。

5)再生医療による人工腸管の開発

 臨床応用が可能な人工腸管を作成するための基礎研究として、マウスiPS細胞を用いて腸管様構造物、平滑筋シートの作成を行っています。