教室紹介

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分子遺伝医学教室

スタッフ紹介

教育重点及び概要

 DNA解析技術の飛躍的な進歩に伴って、遺伝子や多型の解析が医療の現場に実装されてきている。また出生前診断、発症前診断、ゲノム医療、遺伝性希少疾患の同定など、今後も遺伝医療は様々な分野で広がっていくことが確実である。教員は現在、病態代謝学教室と協力し「ゲノム医学」を中心に、講義及び実習を行なっている。講義は遺伝医学の分野をなるべく網羅出来るようにカリキュラムを構成し、臨床診療科の教官にも実際の遺伝性疾患の内容を紹介していただく。実習では分子生物学的な手法の基礎を学ぶ。積極的に参加し、択一的な質疑応答だけではなく実験結果からディスカッションする能力を身につけてもらいたい。それらを通じて、遺伝情報の解析手法を理解し、解析結果を正しく解釈して医療や研究に生かす基本となる知識を身につけることを目標とする。今後ゲノム医学の急速な発展に合わせて教科書や講義内容は随時更新していく。

研究分野及び主要研究テーマ

 遺伝性疾患の病態解明を通じて、病態の理解から治療法を導き出し医学に貢献することを目標とする。解析手法は一般的な遺伝子発現・ノックダウン、タンパク質解析に加え、リソソーム酵素活性などの生化学的手法、CRISPR/Cas9による遺伝子操作、高感度の蛍光顕微鏡を用いた形態学的な手法を用いている。現在日本学術振興会の外国人特別研究員を受け入れ、国内外の複数の機関(大阪大学、名古屋市立大学、第一薬科大学、秋田大学、北東連邦大学(ロシア)など)と共同研究を行っている。また当教室は医学研究科大学院博士課程として、生化学系分野・分子細胞機能制御学を開講し、同テーマの研究指導を行う。

1)リソソームを中心とする細胞内輸送・代謝の制御機構と疾患との関連

 リソソームは細胞内の分解系を担う酸性のオルガネラであり、リソソーム酵素の働きによってオートファジー、エンドサイトーシス、または直接運ばれてくる物質の分解を行なっている。我々はリソソーム酵素の遺伝子異常により発症する先天代謝異常疾患であるリソソーム病(ライソゾーム病)の細胞を用いて、ある分子の欠損がどのような機序でどのような表現型を呈するかを解析し、生命の普遍的なメカニズムの一端を明らかにすることを目標とする。またリソソーム酵素だけでなく、リソソームへの細胞内小胞輸送に関わる分子の異常やオートファジー分子の異常に関しても同様の解析を行い、疾患との関連性を明らかにする。特に我々のグループが同定した新規疾患の原因遺伝子は、細胞内輸送に関与する分子であり、症状はリソソーム病に酷似する。このことからリソソームを中心とする細胞内の物質の輸送及び代謝制御機構の破綻はいずれも疾患に結びつくことが明らかとなり、ノックアウト細胞や変異遺伝子発現を用いて病態のメカニズムを探っている。

2)遺伝性希少疾患の病態解明と治療法の開発

 遺伝性が疑われる未診断症例のエクソーム解析により原因遺伝子の候補が同定されたものについて、学内の遺伝診療部や共同研究機関と連携して遺伝子の機能解析を行い、疾患との関連性を明らかにする。