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川崎医科大学の教育指針

  1. 我が国では、臨床医育成の重要性は建前としては唱えられつつも、研究重視の風潮のもとで軽視され続けてきた。本学はその批判の上に立って「真の良医」を育てることを目標として設立された。
  2. 本学建学の理念は『人間ひとをつくる 体をつくる 医学をきわめる』にあり、卒前教育の目標は以下のとおりである。
    • (1) 患者から信頼される、人間性豊かな医師の育成
    • (2) 幅広い守備範囲の知識と技能を持ち、広く国民に信頼される有能で心優しい医師の育成
    • (3) 全人的医療ができるだけでなく、専門性を持った医師の育成
    • (4) 研究マインドを持ち、新しい医学に貢献できる医師の育成
  3. 教育は、教員と学生の間の良好な信頼関係のもとに成立する。教員は、教育者としても人間としても、医学生の模範となるべき生活態度を貫くことが望まれる。これらの背景として、教員各位は、日頃の研究や診療において、愛情・研究心・好奇心などを深めていくべきであり、当然ながら、研究や診療から得られた成果を教育の現場に反映すべきである。
  4. 本学の学生教育にあたっては、研究に費やすと同等の情熱を傾けることが教員に期待される。講義・実習では授業責任者(所属長またはブロック主任等)と相談のうえ、その教育効果が十分上がるよう、たえず工夫を凝らし、また学生の成績評価にあたっては、公平に、正確に客観的にそして愛情をもって行うこと。そして「社会に対して使命感と倫理観を持った人間をいかに創造していくか」を常に考えることが求められる。
  5. 出張・研修(例えば国内・外の学会や各種研究会)に関しては、教育への配慮を第一義とし、授業・実習に支障が生じないよう、前もって慎重に計画を立てるべきである。
  6. 学生は最も身近な教員の姿を見て成長する。本学の教育目標に照らし、教員自らが、公私の生活を厳しく律し、学生が「学びたい人」と思うような教員になることが肝要である。