教室紹介

CATEGORY

産婦人科学教室Obstetrics and Gynecology

産婦人科学教室

スタッフ紹介

教育重点及び概要

 産婦人科学は、大きく周産期医学、婦人科腫瘍学、生殖医学そして女性医学の4つのsubspecialtyから構成されています。教育にあたって産婦人科学1教室、産婦人科学2教室ならびに婦人科腫瘍学教室の3教室が協同して講義・実習などを行っています。大学教育では女性の生涯を通じたヘルスケアにおける正常(生理)と病態(疾患の診断と治療)を中心に教育がなされてきました。様々な関連科と密接に連携しつつ、生命の誕生から女性の一生のライフステージにおける生活の質の向上に大きく貢献することを目的に生殖に関する基本的な理解から出発して女性の生涯を通して内分泌学、腫瘍学、周産期学を中心にその女性の生涯を卒業時点で総合的にみることができるようにすることを目標としています。

①ブロック講義

 第1学年においては人体の構造と機能Ⅰの中で「女性生殖器:機能と臨床」において最初に産婦人科領域に触れることが出来るようにしています。ブロック名「女性内分泌・妊娠」および「性腺・生殖器」として第3学年に産婦人科学1教室、産婦人科学2教室、婦人科腫瘍学教室合同で系統的に講義を行うことで産婦人科領域の正常と異常についての基礎的知識の習得を図るようにしています。さらに、第6学年においては産婦人科の知識と学ぶ力の再確認を目指して集中講義の中で国家試験対策に望んでいます。

②その他の講義

 「女性内分泌・妊娠」および「性腺・生殖器」のブロック講義だけでは講義時間が十分とはいえないので、「症候論」、「内分泌」、「感染症」などの講義枠を活用して重点事項を掘り下げて講義を行うことによって自ら学ぶ力を付けることが出来るように工夫しています。

③臨床実習

 第4~6学年では産婦人科の臨床実習を行っています。実習を指導するポイントは、前年度の講義や自己学習で習得した知識が実地に生きた知識となるように実習の場のあらゆる機会を利用して学習させることにしています。病棟では回診につき、手術にも手洗いをして立ち会い、分娩の見学ができるように極力配慮しています。分娩の現場に立会い、生命の誕生の瞬間とその喜びを体験してもらうことは産婦人科実習において最も重要なことであると考えています。

研究分野および主要研究テーマ

 研究領域は前述のsubspecialtyにそって多岐にわたっています。卒後教育の中で積極的に大学院での学びを取り入れるようにしています。臨床・教育が多忙ではあるが、研究マインドをもった臨床医を育てることを目標として、産婦人科学のすばらしさを継承して人材育成に努力しています。本学で取り組んでいる主要研究テーマを産婦人科のsubspecialtyにそって示すと以下のようになります。いずれの研究も臨床的疑問を背景に基礎的・臨床症的検討を加えて英文論文として発表しています。

①周産期医学関連

●流産・早産の病態解析
●周産期の脳障害の発症機序の解析
●妊娠・分娩中の胎盤機能に関する解析
●人工妊娠中絶などの産婦人科領域における社会学的・倫理学的側面からの検討
●産科手術(主に帝王切開術)に関する臨床的検討

②生殖医療関連

●女性生殖器におけるサイトカインネットワークに関する検討
●卵の質に関する検討

③婦人科腫瘍学関連

●遺伝子組み換えマウスを用いたがん治療に関する検討
●婦人科手術における合併症の検討

④骨盤再建外科学関連

●性器脱の治療・診断に関する検討

参考:
1: Sugihara M, et al., Does local infiltration anesthesia on laparoscopic surgical wounds reduce postoperative pain? Randomized control study. Reprod Med Biol. 2018 Aug 16;17(4):474-480.
2: Sano R, et al., Vasohibin-1 Is a Poor Prognostic Factor of Ovarian Carcinoma. Tohoku J Exp Med. 2017 Oct;243(2):107-114.
3: Hazama Y, et al., The Analysis of Cell Cycle-related Proteins in Ovarian Clear Cell Carcinoma Versus High-grade Serous Carcinoma. Int J Gynecol Pathol. 2018 Nov;37(6):516-524.
4: Tomimatsu T, et al.. Unresponsiveness to oxytocin due to an extremely thin uterine wall in a pregnant woman with systemic lupus erythematosus and Sjögren's syndrome. J Obstet Gynaecol. 2018 Feb;38(2):276-278.