教室紹介

CATEGORY

病理学教室Pathology

スタッフ紹介

教育重点及び概要

 当教室は、開学以来臨床医学教室として位置づけられている。教室名称、講座数の改変が複数回なされてきたが、2018年4月に病理学教室として統合され、診療面では2つの附属病院の病理部門も含めた大きなユニットとなった。教育に際し、スタッフはそれぞれ専門領域を(可能な限り複数)持つようにしており、各分野の学生教育、診療、カンファレンスを統括している。
 病理学は、疾患の病態を解明・理解するとともに、その身体への現れを探求する学問であり、基礎医学と臨床医学との架け橋ともなる。第2学年の「病因と病態」では、いわゆる病理学総論に相当し、主要な疾患を理解するために必要な基本的用語の習得を目指す。それぞれの概念、病態、形態変化の概要を学び、具体的な理解を深めるためにバーチャルスライドを利用した顕微鏡実習を行う。第3~4学年の臨床医学授業(臓器別・系統別ブロック講義)では、臨床各科の講義と並行し、各論的な解説と、顕微鏡実習を行う。いずれも医学教育モデルコアカリキュラムに準拠するとともに、CBTや医師国家試験の出題内容を意識している。顕微鏡実習に際しては、解説資料をDVDの形で第2学年に配布しており、卒業まで繰り返し学習が可能な環境を整えている。
 第4~6学年の臨床実習では、病理組織診断、術中迅速診断、細胞診、病理解剖業務を見学している。また、重要な疾患の病理像を復習するとともに、可能な範囲で切り出し、診断業務にも参加させている。毎朝行う病理診断カンファレンスや術中迅速診断では、顕微鏡画像を大型モニターに投影しており、学生の理解に役立っている。これらの実習に際しては、臨床現場における病理部門の重要性を理解させ、卒後の初期臨床研修においても病理部門と適切に関わることができるよう、特に強く意識している。
 当教室の大きな特徴として、現代医学教育博物館(メディカルミュージアム:MM)との密接な関係がある。医療者向けの展示物として、4階に展示している多数の肉眼臓器標本は病理解剖によるもので、第4~5学年の臨床実習にも演習を組み込んでいる。また、一部は一般向けの展示としても利用されている。

研究分野及び主要研究テーマ

 大学院医学研究科(形態系に所属)の教室名は検証病理診断学である。病理形態学的なアプローチを通じた臨床研究を主体としており、臨床各科、国内外の機関とも適宜連携している。また、医学部第2学年の「医学研究への扉」では、現代医学教育博物館と協力した医学情報の適切な展示に関する研究、あるいは医療福祉大学の医療福祉デザイン学科と協力してメディカルイラストレーションに関する研究も展開している。

主要研究テーマ

 骨髄疾患の病態解明に関わる免疫組織学的アプローチ、乳癌発生過程の病理組織学的多様性に関する研究(科研費獲得)、乳癌の再発・転移巣で出現する付加的遺伝子変異の解明(科研費獲得)、乳がんの増殖能を効率的に計測するための病理学的検討(国際共同研究を含む)、卵巣がんの妊孕性温存治療の対象拡大のための研究(分担者、AMED)、再発乳癌組織の特徴に関する病理組織学的検討、頭頸部腫瘍に対する免疫組織学的アプローチ、神経変性疾患に対する病理学的トレーニング法の開発。