スタッフ紹介
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教授上村 史朗Shiro Uemura
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教授根石 陽二Yoji Neishi
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准教授久米 輝善Teruyoshi Kume
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講師山田 亮太郎Ryotaro Yamada
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講師古山 輝將Terumasa Koyama
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講師今井 孝一郎Koichiro Imai
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講師岡本 公志Hiroshi Okamoto
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特任講師玉田 智子Tomoko Tamada
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臨床助教周藤 泰章Yasuyuki Sudō
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臨床助教上野 雅彦 Masahiko Ueno
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臨床助教厚東 識志Satoshi Koutou
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臨床助教山下 雅弘Masahiro Yamashita
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臨床助教松木 崇Takashi Matsuki
教育重点及び概要
循環器内科学は虚血性心疾患、心臓弁膜症、心筋症、不整脈、
動脈疾患などの基礎心血管疾患とさらにこれらの疾患が最終的に陥る心不全の診断と治療を専門とする分野です。
当教室は、伝統的に循環器診断学の分野における教育、研究、診療に重点を置いて活動してきました。時代とともに大きく変化している循環器内科領域について、確かな診断に基づいた適切かつ質の高い治療を目指して、時代の要請に応じられる医師を教育すること、また独自性が高く臨床に直接還元できる研究を推進していくことが当教室の使命であると考えています。現在の教室は、教授、准教授、講師5名、シニアレジデント6名、大学院生1名、非常勤医2名の16名の体制です。
研究分野及び主要研究テーマ
1)血管内イメージングによる不安定プラークの診断
虚血性心疾患なかでも急性冠症候群や心臓突然死の原因となる冠動脈の不安定プラークの診断に関する血管内イメージング(血管内光干渉断層法(OCT)、近赤外線スペクトロスコピー、血管内超音波など)を用いた領域が教室の重要な研究課題です。これらの画像診断法により、高リスクの冠動脈病変を急性冠症候群が発症する前に事前に診断すること、さらにイメージングを用いた治療成績を向上させる手法に関する研究を行っています。また、患者の冠動脈DCAサンプルや動物実験による病理組織学的検討を加えることによって、血管内イメージングによる診断の精度向上のための基礎的研究にも取り組んでいます。さらに、最近ではArtificial Intelligence(AI)を用いることによりOCT画像の自動分析と急性冠症候群の高精度の発症予測法の開発にも着手しています。
2)KIBIDAN-GOレジストリー研究
当教室では、自身の循環器診療の実態の把握および循環器疾患患者の長期予後の改善に関係する要因を解析することを目的として、過去に当院で循環器画像診断(心エコー図、冠動脈造影、侵襲的冠動脈イメージングなど)が行われた全症例約30,000例を登録した医療情報データベースKIBIDAN-GOレジストリー(KawasakI BioImaging DAtabase for loNg term cardiovascular proGnOsis)を構築しています。循環器画像診断を出発点としたユニークなレジストリーであり、定期的な予後調査を行って常に刷新しています。
これまでにこのレジストリーから、心不全患者の退院後の生活様式と再入院の関係、OCTガイドPCIの有用性、心房細動合併のHFpEF患者の長期予後などを調査し、継続して検討を続けています。
3)3次元心エコー図検査による心臓弁膜症の病態解明と治療への応用
当大学が開発した3次元画像解析ソフトを用いて、僧帽弁閉鎖不全症の病態解明を行っています。また、大動脈弁狭窄症の新しい診断法と予後に及ぼす影響についても研究を行っている。また、これらの両弁膜症の長期予後におよぼす予測因子の検討を後述する、アジア多施設共同研究として行っています。
4)多施設共同研究
国内外の多施設共同研究に多数参加しています。国内では、抗血小板薬、血管内超音波、造影剤腎症、冠動脈ステントなどの分野において多施設共同研究を行っています。海外施設としては Harvard Universityとの共同研究が進行中です。
以上、内科全般における十分な知識と経験を基盤とした研究マインドを持った臨床循環器内科医の養成を目標としています。当教室には臨床経験のみならず研究経験も豊富なスタッフがそろっており、次世代を担う若手の教育指導を通じ、さらに地域の医療機関との連携強化とドクターヘリの有効的な活用を通じた診療活動をベースとして、新しい研究分野にもチャレンジしていきたいと思います。