教室紹介

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解剖学教室

スタッフ紹介

教育重点及び概要

 解剖学教室は、肉眼から細胞・分子レベルに至る生命体の階層的構造を教授する。平成21年度からの現行カリキュラムでは、1年生1学期の「人体構造入門」の授業から始まり、2学期、3学期にかけて『人体の構造と機能I』コースとして、また平成26年度からは5年生の「診療の基本」の中で臨床解剖実習を行っている。
 1年生の教育は、解剖学、生理学が共通の教科書を用い、1学期に「人体構造入門」において人体の概要を学び、2学期“人体解剖実習”と3学期の“脳神経実習”の実習内容に合わせ、臓器別のユニット科目をマクロからミクロ、生理学を織り交ぜ、 また“顕微鏡実習(組織学)”を組み込み、更に関連する臨床系13教室が解剖・生理の重要性を講義するという構成である。この他、1年生のリベラルアーツⅠ「ソフィーの世界:医学生のための哲学講座」、また2年生の「医学研究への扉」では毎年多くの学生を教育し、また中央研究センター、研究支援係、教務課、教務委員会、倫理委員会と密接に連携し全学的とりまとめを行っている。5年生の臨床解剖実習は、外科系9教室も参画し、医療の基本となる解剖学的基礎を修得し、初学年の人体解剖以降に培った医学知識と経験、倫理感をスチューデント・ドクターとして高いレベルで統合できるよう指導する。以上の解剖学教育は、概ね学生からは好評価を得ており、更には毎講義後の出席カードによる感想・意見などを迅速に教育に反映している。
 解剖学は、本学の建学の理念“人間(ひと)をつくる 体をつくる 医学をきわめる”に基づく、全寮制と学年・小グループ担当制度という本学独自の制度を活かした、医学・医療人生の方向付けをする医学教育の実践である。人体解剖実習を通じて涵養される献体に対する感謝・畏敬の気持ちは、医学生にあるべき規範意識を自覚させ、“医の心” の出発点として、かけがえのない重要な意義を持つ。毎年5月の解剖体慰霊祭には2年生が中心となって参列し、受付、案内、会食、懇談を通じて、ご遺族とくすのき会(本学献体の会)会員さんとの交流を深めている。篤志献体活動は、くすのき会の委託を受け、入会希望者の面会を行うなど、庶務課(くすのき会事務担当)関係者と共に啓蒙に務めている。
 教室スタッフは、学年担当、小グループ、学生相談などに関わっており、教育と学生指導を多角的に連関して教員活動を行っている。平成27年度からは熊野一郎助教が川崎医療短期大学准教授に、平成29年度から清蔭恵美講師が川崎医療福祉大学教授(臨床検査学科)に、園田祐治講師が川崎医療福祉大学教授(保健看護学科)に専任として転出し、学園内医療教育に人材を輩出している。
 研究面は、「嗅覚系を中心とした脳神経回路の解析」と「精巣ライディッヒ細胞の分化メカニズム解明」の2つを主なテーマとしている。遺伝工学や細胞生物学による細胞標識法によるレーザー顕微鏡・デジタル電子顕微鏡を駆使し、嗅覚系・情動系等を解析モデルとして脳神経回路の解明を目指している。永遠のテーマである『生命の発生』について、生殖腺組織の分化メカニズムと遺伝子発現機構解明を目的に、発生工学的・ジェネティック/エピジェネティック解析を進めている。これらは国内外の研究機関や研究者との共同研究も活発に行われ、毎年、学会や論文により発表している。
 統合化されたカリキュラムを、統合化されたひとつの解剖学教室の全員で実践できることは、“教育・研究の国際化”という、新たな時代を迎えるにあたり得難いチャンスともいえる。『教育のジェネラリスト、研究のスペシャリスト』を念頭に、医学生のみならず、医師、研究者、教育者の育成においても、本学の建学の理念である人間教育を実践すべく、教室員全員が日々精進することを改めて誓うものである。