教室紹介

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生化学教室

生化学教室

スタッフ紹介

教育重点及び概要

 湊川、伏谷両教授により現在の生化学教室の教育体制の基本は整備されたと考えている。その湊川氏は、「最終的には学生の頭の中に代謝の大きな流れ図が描かれれば我々の役目は果たせたと思っている。」と話していたが、この考えは生化学教室全員の共通認識でもある。当教室は現在、4名の教員が学生・院生教育を担っている。矢田豊隆氏による教育内容は多岐に渡り、第1学年から高学年への教育に携わる。例えば第1学年においては「医学概論」を担当している。第2学年の英語では医学に関する英語論文の構造解説を、他の教養系・基礎医学系教室とともに2018年度から開始した。循環器学を基礎とする矢田氏はまた、医用工学を中心とする教育、即ち生体計測概論、周術期管理、医用工学、臨床工学、生体計測、内科系総論など広範囲の学生教育を行っている。この他矢田氏は、近年開始された2学年基礎配置実習の「医学研究への扉」を担当している。
 血液腫瘍に秀でる岡本秀一郎氏は、生化学系の講義の他、実習を川井千景氏等と担っている。第2学年を対象とする本実習では、糖質代謝と乳酸脱水素酵素(LDH)についての理解、臨床への応用を目指した。LDHの実習ではアイソザイム組成の相違を実習にて確認することも行った。糖代謝ではケトン体の生成過程や糖尿病の病態生理の理解を深めることに努めた。医化学実習は十年程前まで生化学教室単独で実施していた。その土台は島方孝士氏と池田充典氏の莫大な知見を凝縮させることにより築かれた。詳細は割愛するが、医学科の基礎系実習で散見される所謂お料理実験でなく、研究の基本とも考えられるすばらしい実験を学生に与えていた。無考えにAとBを足すとCになるような誰にでもできることを求めず、学生が自ら考えながらも級友と協同する実験を実施していた。この歴史を岡本氏も引き継ぎ実験動物の調整など、目に見える形で学生に理解させる実習を行っている。この他、岡本氏は専門領域の学生への還元として、2018年度から第4学年の「腫瘍」も担当しており、新たに2019年度は第1学年生命科学を多く担当する。生命科学では、自然科学教室の泰山浩司先生にもご専門の内容の基本的な重要事項を分り易く学生に講義をして頂いている。
 この他生化学教室では、様々な領域の学問的専門分野を走る教員の力を借りつつ学生教育を実施している。第2学年の「ヒトの分子細胞生物学」では、衛生学の西村泰光先生と自然科学教室の西松伸一郎先生にご負担をお願いしている。

研究分野及び主要研究テーマ

 近年では博士課程においても、院生のために研究をサポートする教育の拡充などが重要視されつつある。当教室では山内明氏が研究上の専門分野から派生する学問領域を中心に院生への教育を実施している。この他、専門領域である細胞動態の解析を通した生体防御機構解明の研究を通して、学内外の多くの教室との協同研究を板谷益美氏と実施している。当教室では白血球による生体防御機能の全般的改名を主要な研究テーマの1つとしている。この分野における山内氏の業績は大学院時代から国内外で高く評価されている(Microbiol Immunol. 45, 249-257, 2001. J Immunol. 15, 5971-5979, 2004)。このように山内氏は院生時から米国を本拠とする研究も行っていた。矢田氏も同様に心筋の冠血管微小循環における内皮由来過分極/過酸化水素の研究を行っている。即ち、過酸化水素やNO産生系と糖尿病などによる冠血管の障害との研究を行っている。岡本氏の研究内容は、検査診断学教室(病態解析) 教授通山薫先生のご指導の下、本学大学院1年次より一貫してMDSや白血病細胞の薬剤耐性化機序の解明を行っている。学位取得のための業績を早々と完成させた岡本氏は、医師としては全国的にも極めて異例であるティーチングアシスタント(TA)として認められ、院時代から研究と教育を行い、院卒後は直ちに講師となった。現在、岡本氏独自の解析系の開発を行い、その方法に基づく臨床応用を試みている。