スタッフ紹介
超高齢化社会を迎え、地域包括ケアシステムを構築する上において医師をはじめとした医療者の確保、特に、救急医療と幅広い総合診療に対応できる医療者等の育成、そして地域への供給が必要となります。
当教室は、岡山県の救急・総合診療にかかわる医療者の教育・研修を担当する目的で、岡山県の寄附講座として開設されました。
- 救急診療と総合診療の臨床能力をあわせ持つ医師「救急総合診療医」の育成
- 地域の救急医療、総合診療を支える職種の生涯教育
- 地域包括システムを支える人材を育成するための生涯教育
以上の3つの目的で、活動を行っております。
現在進められている地域医療構想では、その地域の医療機関が協力し、地域に合った急性期から慢性期まで医療サービスが住民に対して滞りなく実施されることが目標とされています。しかし、岡山県では5つの二次医療圏がありますが、高梁・新見、真庭、および津山・英田の3つの医療圏における人口当たりの医師数は全国平均を下回っています。岡山県の受療動向から各医療圏の自己完結率をみると、入院全般では、県南東部・県南西部で9割超ですが、津山・英田が8割、真庭が7割5分、高梁・新見が6割5分となっています。また、救命救急入院では、県南東部・県南西部で9割超、津山・英田が8割5分、真庭が6割、高梁・新見が3割5分です。救急搬送時間の平均は全ての医療圏で32分~34分となっています。こういった課題の解決につながる活動を、日々行っています。
医療、特に地域医療において、救急診療と総合診療の臨床能力をあわせ持つ医師「救急総合診療医」の育成は重要であり、また、そのような医師とともに地域医療を支える看護師や他の医療者、さらには救急救命士などと連携した地域のチーム医療の構築はより重要であると考えております。
この寄附講座が、将来の岡山県における医療充実のため、医師や研修医をはじめ、コメディカルを含めた教育の一環として、地域の実情を鑑みてより質の高い内容を提供できますよう、今後も活動事業を計画的に進めてまいります。
地域医療に従事される皆様は、寄附講座で開催いたします教育セミナー等にご参加をいただき、医療の現場で役立てていただければ幸いです。
2023年度活動実績(2024年3月末現在)
1.学内における教育啓発活動
川崎医科大学総合医療センターの医療従事者や職員に対する教育啓発活動の一環として、①二次救命処置(ICLSコース)を、総合診療医の育成として、初期臨床研修医のための救急科研修の充実のために、②Emergency Room Conference(及びWeek End conference)を、それ以外にも初期臨床研修医の要望もあり、③症例の振り返りとして開催しています。
① 二次救命処置(ICLSコース):
(羽井佐 実;川崎医療短期大学 医療介護福祉学科特任教授)
(森 仁;川崎医科大学 神経内科学特任准教授)
(安永 雅;川崎医科大学 リハビリテーション医学講師)
※この表は横にスクロールします。
コース名 | 会場 | 日程 | CD | インストラクター | 担当 世話人 |
受講 者 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 一般 ICLSコース |
川崎医科大学 総合医療センター |
R5.8/19(土) | 安永 雅 | 11 | 羽井佐実 (家永慎一郎) |
6 |
2 | 研修医 ICLSコース |
川崎医科大学 総合医療センター |
R5.11/12(日) | 森 仁 | 10 | 安永 雅 (家永慎一郎) |
6 |
3 | 研修医 ICLSコース |
川崎医科大学 総合医療センター |
R5.12/17(日) | 家永慎一郎 | 10 | 家永慎一郎 (森 仁) |
6 |
② Emergency Room Conference:◎はWeek End Conferenceを兼ねる
※この表は横にスクロールします。
日程 | 会場 | 指導医 | 演題 | 受講者 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | R5.5/13(土) | 川崎医科大学 総合医療センター |
家永慎一郎 | 「診療の考え方」 | 12 |
2 | R5.10/14(土) | 川崎医科大学 総合医療センター |
家永慎一郎 | 「症例の振り返り」 | 10 |
3 | R5.11/25(土) | 川崎医科大学 総合医療センター |
家永慎一郎 | 「CPA時の対応について」 | 10 |
4 | R6/1/6(土) | 川崎医科大学 総合医療センター |
家永慎一郎 | 「症例の振り返り」 | 7 |
5 | R6.3/9(土) | 川崎医科大学 総合医療センター |
猶本良夫 | ◎「医事紛争に対する考え方」 | 12 |
③ 研修医ミニレクチャー:随時開催(研修医の要望)、救急外来での少人数指導分は除く
※この表は横にスクロールします。
日程 | 会場 | 指導医 | 演題 | 受講者 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | R5.10/28(土) | 川崎医科大学総合医療センター | 家永慎一郎 | 「振り返り」 | 3 |
2 | R5.12/9(土) | 川崎医科大学総合医療センター | 家永慎一郎 | 「振り返り」 | 3 |
3 | R6.2/10(土) | 川崎医科大学総合医療センター | 家永慎一郎 | 「振り返り」 | 2 |
4 | R6.2/17(土) | 川崎医科大学総合医療センター | 家永慎一郎 | 「振り返り」 | 3 |
5 | R6.3/9(土) | 川崎医科大学総合医療センター | 家永慎一郎 | 「振り返り」 | 3 |
2.学内における教育啓発活動
県北中山間地域におけるICLSや教育セミナーは、昨年度同様に新型コロナウイルス感染は懸念されたものの、高梁医師会との共催で開催することとなり下記のとおり準備を進めていましたが、講師の体調不良で中止となっています。
また、岡山市消防局救急課や県内消防局・本部から救急救命士への指導について要請があり、①教育セミナー(救急症例検討会)を院内で開催しています。
① 教育セミナー(17:30~18:45):救急症例検討会
※この表は横にスクロールします。
通算 | 地域 | 日程 | 会場 | 講師 | 演題 | 参加 人数 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
- | (中止) |
(火) |
(川崎医科大学) |
- | |||
1 | 第38回 | 県南東部 消防本部 |
R5.11/29 (水) |
川崎医科大学総合医療センター川﨑祐宣記念ホール | 家永慎一郎 (川崎医科大学) |
「だろう」から「かもしれない」へ~搬送症例から学ぶ観察の重要性~ | 34 |
3.学外における活動
家永特任准教授は、災害派遣医療チーム(DMAT)において隊員育成研修の講師も務めており、岡山県はもとより、兵庫県・高知県・香川県へも参加しています。更に今年度は「大規模地震時医療活動訓練」に岡山県代表として参加しています。
また、1/1に発生した令和6年能登半島地震に伴い、厚生労働省の要請で、岡山県のDMAT隊員出動要請を受けて、被害が最も甚大であった石川県珠洲市の調整本部で統括役として、1/11-18と1/27-2/3の2回、医療支援をしています。
- 過去の活動実績はこちら