スタッフ紹介
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教授平 成人Naruto Taira
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特任教授田中 克浩Katsuhiro Tanaka
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講師野村 長久Tsunehisa Nomura
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講師小池 良和Yoshikazu Koike
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講師岩本 高行Takayuki Iwamoto
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講師緒方 良平Ryouhei Ogata
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臨床助教三上 剛司Tsuyoshi Mikami
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臨床助教景山 千幸Chiyuki Kageyama
教育重点及び概要
乳腺甲状腺外科学の「独立した教室」をもつ大学は全国的に少なく、本学の特色の一つである。当教室で診療を行う主な疾病は、乳腺疾患、甲状腺疾患、副甲状腺疾患であり、学生教育もこれらの疾病の病態、診断、治療の理解を促すことが中心となる。当教室における教育の特色としては、以下の6項目が挙げられる。
- 乳腺・甲状腺・副甲状腺はすべて表在臓器であり、視触診や超音波検査による診断能力を習得できる。
- 乳癌・甲状腺癌の診断から手術・薬物・放射線療法等の根治を目指した初期治療、転移・再発例への包括的ケア、緩和ケアまでのすべてを当教室のスタッフが担当しており、「臨床腫瘍学の全体像」を理解できる。
- 乳癌は、世界的にがん研究の進歩が最も早い癌の一つであり、「がん診療の進歩」を目の当たりにすることができる。
- 乳癌や甲状腺・副甲状腺疾患の手術症例が多数あり、「実践的な教育」を受けることができる。
- 日本乳癌学会や日本内分泌外科学会などにおいて、当教室のスタッフが要職を務めており、各分野の最新情報が身近にあり、Up-to-dataの知見に触れることができる。
- 乳癌・甲状腺癌のバイオロジーに関する基礎研究、トランスレーショナル・リサーチ、医師主導臨床試験、開発治験を行っており、癌研究の様々なフェイズに触れることができる。
当科は歴史的に乳がんの基礎研究、特に内分泌療法耐性に関する研究に重点をおき、多くの内分泌療法耐性乳がん細胞株を樹立している。これら細胞株の基礎的研究により、耐性機序の解明、新たな治療ターゲットの同定などをテーマに、多くの大学院生が学位を取得している。また豊富な臨床研究データを有しており、個々の抱く臨床的な疑問を、これらデータの解析を通じ、解決に挑むことが可能である。
卒後教育に関しては、川崎医科大学附属病院及び関連施設で構築された外科専門医プログラムを通じ、基盤となる外科専門医の取得が可能である。さらに、乳腺専門医、内分泌外科専門医取得に必要とされる経験症例数は豊富であり、学会発表や論文執筆では上級医が親切・対寧に指導する。乳腺外科医、甲状腺・副甲状腺専門医の社会的な要望は多く、当科のスタッフをはじめ、地域の中核的な医療機関で乳腺・甲状腺外科医としてのスキルアップ、キャリアを築くことができる。
研究分野及び主要研究テーマ
乳癌、甲状腺・副甲状腺疾患に関する臨床的及び基礎的研究を行っている。
- 乳癌発生リスク因子の検討、特に遺伝子多型とライフスタイルとの関連性
- 同時乳房再建術の腫瘍学的安全性、整容性評価に関する研究
- 遺伝性乳癌に対する診療体制拡充に関する研究
- 乳癌罹患者のmodifiable lifestyleとアウトカムに関する包括的コホート研究
- がん患者のサバイバーシップリサーチ
- がん患者の行動変容を促す運動・教育プログラム開発に関する研究
- 高齢がん患者の意思決定支援のための、包括的機能評価スクリーニングツールの開発
- がん薬物療法期間中のePRO (electronic Patient Reported Outcome)モニタリングツールの開発と有用性検証
- 内分泌療法耐性乳癌細胞株の樹立と耐性メカニズムの解明、及び新規分子標的治療薬の開発
- 甲状腺分化癌の予後予測因子に関する研究
- 再発甲状腺癌に対する集学的治療の有用性の検討
- 甲状腺癌幹細胞の生物学的・臨床的意義に関する研究
- 甲状腺癌細胞株を用いた新規分子標的薬の開発
臨床研究に関しては、臨床研究の方法論、研究倫理、研究計画の策定方法、統計学的処理、学会発表や論文作成の方法を学んでもらい、質の高い研究を実践している。
基礎研究に関しては、大学院生を中心に世界に通用する新規性に富んだ研究を進めている。