産学連携知的財産管理室

KMS メディカル・アーク2019 with MTO 

2019年2月7日、第3回目となる「KMSメディカルアーク2019 with MTO」が川崎医科大学附属病院本館棟8階大講堂を会場として開催されました

 今回は、特定非営利活動法人メディカルテクノおかやま(MTO)と共同で主催したことから展示会名を「with MTO」と致しました。
 そしてこの度、その事業の一つとして、KMSメディカル・アークへの共同主催とサポートを挙げていただき、本会の名称を「KMSメディカル・アーク2019 with MTO」と致しました。
 展示会は、10時からの開催で昨年同様午前中はご来場の方々にそれぞれの企業様の出展ブースや、研究者シーズ、さらにメディカル・スタッフの方々からのニーズポスターを閲覧していただきました。
メディカルテクノおかやまは、2005年4月に県内大学の医学部、歯学部、薬学部などの医療系ニーズ・シーズと、県内理工系大学の技術シーズや県内ものづくり企業の技術を連携・融合するとともに、地域を挙げた事業化推進体制を構築するため、県内の関連企業、大学などの研究者、行政、経済団体、医療機関、産業支援機関などが一体となって、財団法人岡山医学振興会内に、「メディカルテクノおかやま」を設置し、以来、研究委託、共同研究の促進、大学発医療系ベンチャーの設立支援、セミナー・会員相互の交流機会の提供、関連情報の収集発信などの事業を実施して参りましたが、「特定非営利活動法人メディカルテクノおかやま」を設立し、新たにメディカルイノベーション拠点推進事業に取り組むなど、地域における産学官共同研究のさらなる充実強化を図ってきた組織です。


左:ももっち(岡山を代表するヒーロー桃太郎)
右:うらっち(愛らしいオニの女の子)

 また、MTOの構成母体の一つとして、岡山県が支援していることから、県のマスコット「ももっち」と「うらっち」も参加して会場の皆様に手を振って挨拶したり、握手をしたり、一緒に写真撮影をして会を盛り上げてくれました。
和やかで、楽しい会となった一番の功労者と言っても過言ではないでしょう(拍手!!)。
左:ももっち(岡山を代表するヒーロー桃太郎)
右:うらっち(愛らしいオニの女の子)

 12時からは、福永仁夫学長のご挨拶に続いてランチョン・セミナーが始まり、「AIによる高齢者の自立促進・重症化予防~ケアマネジャーのパートナーとして~」と題して株式会社シーディーアイの岡本茂雄先生にご講演いただきました。実際にネットにアクセスしながらのご講演で、AIだからこその考え方の発展を目の当たりにさせていただきました。
 ランチメニューは、川崎学園が包括協定を結んでいる自治体の、倉敷市(たこ飯)、総社市(総社バーガーと赤米おにぎり)、備前市(備前スペシャルバーガー)、岡山市(祭りずし)、そして赤磐市(山菜おこわ)からご紹介いただいたメニューとなりました。5市からの豊富なご当地グルメは、とても人気で、早々と無くなっていくメニューもそれぞれ毎年異なっています。

 そして、午後のプログラムは昨年同様3つの企画を設けました。
 1つ目は、プログレス・ノートと名付けた企画で、今回は川崎医科大学小児外科学の植村貞繁教授の開発による「漏斗胸矯正バーの固定具および漏斗胸矯正装置」が、2018 年末に保険収載されたことを受けて、その成就の道筋を産学連携成功例としてご紹介いただきました。ご講演後も実際の機器をポスターの前に展示し、多くの方々からの質問にお答えくださっていました。

 2つ目は、カンパニーズ・ツアーと称して、ご出展くださった企業様から、それぞれの出展ブースで10分程度の企業紹介のプレゼンをしていただくという企画です。今回は、福祉や栄養、教育関係の企業様にお声を掛けさせていただき、お引き受けくださった企業様にプレゼンをお願い致しました。このツアーに参加されたご来場者の方々は、バスツアーのように列に並んで各ブースを順々に巡り、企業様のお話を熱心に聞いていらっしゃいました。また、それぞれの企業様は、得意とする分野の特色を丁寧に専門的、かつ分かりやすくご紹介くださいました。多くの方々が、列をなして順番に巡って行くのは、普段聞くことができない異業種のお話に興味を持たれていることが窺え、活発な質問もあり、終始和やかななかでツアーを終えました。

 3つ目の研究者シーズ紹介は、岡山県産学官連携推進会議に参加されている大学・高専にご依頼して、岡山大学医学部をはじめ、岡山県立大学、岡山理科大学、就実大学、福山大学、川崎医療福祉大学、さらに国立高等専門学校機構津山工業高等専門学校、同じく徳山工業高等専門学校からのご出展をいただくこととなりました。

ティー・タイム・シーズ・プレゼンテーションでは、ご来場の皆様にワッフル、ドーナツ、飲み物を配布し、先生方のご発表を聴いていただきました。

各大学から口頭発表をご希望された7つのシーズテーマについてのプレゼンで、県内企業とのコラボで上市も近いものや、学内ベンチャーを立ち上げられた内容など、これまでにも増して産学連携を推進されてきた成果の報告でした。

 医療現場からのニーズ発表も、附属病院と総合医療センターから39テーマを頂戴しました。特に今回は、広くお集りくださった大学や、高専の先生方が興味を持ってポスターを見てくださり、アンケートでも多くのニーズに対して、ご対応いただけるような流れとなってきています。

 事実、2017年の第1回開催にニーズテーマとして出展し、昨年のプログレス・ノートで発表していただいた「高機能マット用のシーツ」は、製品化も最終段階となっており、その他、いくつかのプロジェクトも着々と進めております。KMSメディカル・アークの成果は、イベントとしての盛況もさることながら、ここからの製品開発になります。この観点では、昨今「産学官金」の連携ということで金融機関様も目利き役としての位置付けが高まってきています。地方銀行の方のご来場もあり、今後の展開を期待したいと思っております。
 さて、今回のメディカル・アーク全体では、学内外・出展者の方々も含めて、総計398名の方々にご来場いただきました。本当にありがとうございました。

 最後になりましたが、川崎医科大学現代医学教育博物館の職員の方のご協力で「ももっち」、「うらっち」に負けず、川崎医科大学でも学長にそっくりな「まさおちゃん」パネルが会場の入り口で皆様をお迎え致しました。流石、学長の存在感があり、ご来場の皆様から「学長さんでしょう!」と、パネルと記念写真を撮っていく人も多かったようです。
 自力で動けないのが残念でしたが、ステージにも登壇して会場の皆様にご紹介をさせていただきました。
 さて、次回はもう少し開催時間をコンパクトに、でも中身の濃い内容で皆様をお迎えしたいと思っております。ぜひ、来年の「KMSメディカル・アーク2020」もご参加くださいますようお願い申し上げます。そして、シーズやニーズからの産学官金連携活動に向け、産学連携知的財産管理室を挙げてより一層鋭意努力して参りますので、何卒よろしくお願い致します。