細胞内のLyso-Gb3はムコリピドーシスII/III型(I-cell病)のバイオマーカーとなる
ムコリピドーシスII/III型(I-cell病)は、細胞内のライソゾーム酵素の輸送障害に起因するライソゾーム病です。細胞内には様々な未分解基質が蓄積していると考えられており、ムコ多糖症やスフィンゴリピドーシスとも共通した臨床症状を呈します。我々は本疾患においてLyso-Gb3が細胞内に蓄積している事を明らかにしました。本疾患の原因遺伝子GNPTABをノックアウトした細胞株においてLyso-Gb3が上昇し、患者皮膚線維芽細胞においても上昇が確認されました。また、患者皮膚線維芽細胞に蓄積したLyso-Gb3は我々が開発した酵素補充治療によって減少することも確認しています。一方で、患者血漿中ではLyso-Gb3の上昇はみられませんでした。
ムコリピドーシスII/III型(I-cell病)においては有用なバイオマーカーが存在しませんが、本研究成果から、細胞におけるLyso-Gb3は診断や治療効果のマーカーとなる可能性が示されました。今後、病態との関連や治療開発の促進が期待されます。
Cellular Lyso-Gb3 Is a Biomarker for Mucolipidosis II.
Terawaki S, Nakanishi H, Shibuya T, Sakai N, *Otomo T.
Int J Mol Sci, 2025, 26(13), 6275. doi.org/10.3390/ijms26136275
PMID: 40650054