学会報告記
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2016年11月27日から6日間シカゴにて第102回北米放射線学会(RSNA 2016)が開催されました。今回参加させていただく機会を頂いたためご報告致します。
RSNAは世界最大級の放射線科学会でありアメリカ最大規模のコンベンションセンターであるマコーミックプレイスで毎年開催されています。シカゴの街全体がRSNA色に染まっており会場までの専用バス、専用道路まで建設されていました。会場は世界各国からの参加者であふれており学会経験の少ない私は規模の大きさや演題の多さに驚かされました。
会場ではPosterや機器展示を中心に見て回り最新の知識や技術に触れることができました。中でもSIGNA Premierというものが展示してありその中に軽量フレキシブル表面コイルがとりあげられていました。まるで布団のような形状で柔軟性もあり軽く、この新型コイルではコイル同士が重なっていても、その重なりやたわみを計算して、感度を保つことができるとのことでした。従来の表面コイルよりも密着することが可能ということは、3Tでも深部の組織がより明瞭に見ることができるのではと、最先端技術を間近で見ることができ興味も一層強くなりました。
電子Posterでは地方会にて口頭発表する予定のSFT(solitary fibrous tumor)について興味があったので閲覧しました。SFTは内部の性状によってMRIでの信号が様々なこと、転写抑制因子を転写活性化因子に転換してしまうNAB-STAT6についての詳細な記載もありさらに知識の整理ができました。
今年は『Beyond Imaging』がテーマに掲げられておりモダリティの進歩やIT技術革新により大きな変化が生じており、放射線科医はどのように臨床や研究に関わっていくのかを考える良い機会となりました。毎年開催されているDignosis Please Awardでは5人がWinnerとして選出され日本人が独占受賞されていました。日本の放射線科医としてとてもうれしく、今後の臨床や研究に対する意欲がさらに向上しました。
最後にはなりましたがこのような機会を与えてくださった伊東教授、玉田准教授をはじめ医局の先生方に深く感謝申し上げます。