川崎医科大学皮膚科の魅力

患者さんを全方向から捉える

ぱっとみると少女の絵が、じっとみていると、老婆の顔に見えてくるというだまし絵は、多くの人に見え方の多様性をおしえてくれます。同じものをみていても、見方や先入観によって、認識できるものは大いに変わってみえてしまうというこのような例は非常に多いものです。患者さんに内在している疾患と病態は、極めて多様で複雑なもので、医師の知識や先入観によって認識される「患者さん」「疾患」「病態」が、視点によって様々な見え方をするのは、自然なこととおもいます。しかしみているものは、同一なのだから、そこに本質的な真実があるはずなのです。ですから、診察にあたり、常に視点を変えて多角的に見ることが極めて大切なのだとおもいます。

日本の城の屋根に鳥がとまっていました。歩いていたヨーロッパの基礎学者達の誰かが、あれはなんだと、尋ね、鳥だろう?誰かが答えました。すると、別の人が「サイエンティストは、人と違うことを考えるべきだ。さて何にみえるかな、考えてみよう。」といったのです。それ以来、私は、普通の考え方以外に、幾通りも考えるようにしています。まさか、とおもうような突拍子もない考え方が、もしかしたら、正しいかもしれないからです。地動説のように。

ある治療が疾患に効くと信じて施行していても、もしかしたら、これが悪化要因かもしれない。
ある疾患がこの皮疹の原因と信じていても、もしかしたら、別の要因で生じているかもしれない。
同じ疾患を、異なる専門領域の医師がみたら、別の疾患名をつけるかも知れない。
患者さんを全方向から捉えようとすると、新しい視点から何か違ってみえることがあります。同じものをみているのに、違ってみえる。そのような瞬間を経験することは、誰にでもあるはずなのです。そのたびに理解が深まり臨床が面白いと思えます。「!」「!?」そんな知的興奮の波動を感じる時—それが学問を追求する楽しみとおもいます。
(青山 裕美)

2つの研修病院

幅広い後期研修ができるように、2つの研修施設が完備されています

専門的な皮膚科学を体験できる川崎医科大学附属病院

総合皮膚科学を実践できる川崎医科大学総合医療センター

多くの私立大学が、本院を中心に、ブランチとしての分院皮膚科が独立して運営されているのと異なり、川崎医科大学皮膚科は、教室が1つ、性格の異なる研修施設が2つある、というところにこだわりをもっています。
すべてのレジデントとスタッフは、いずれかの病院で臨床医/指導医として活躍、研鑽し、同時に川崎医科大学の大学人として、学部教育と研究に携わっています。
川崎医科大学総合医療センターに勤めていても、科学研究費を申請することができ、研究室のベンチで実験をすることができるので、 外病院で臨床をするからといって、研究をあきらめる必要はないところが魅力の1つです。
また、通常の大学病院と違い、川崎医科大学附属病院は、歴史的に幅広い疾患を受け入れていますので、珍しい病気しか診れないということもなく、プライマリーケア研修から、スペシャリストの育成まで、網羅的に対応しています。
どちらの病院でも、臨床力/指導力の高いスタッフが、研修体制の中心にいます。
後期研修プログラム中で、レジデントは、2つの病院の特徴ある研修を選択し、各自が目標とする皮膚科医像を達成するために必要な研修をデザインすることができます。
シニアレジデント3年目以降には、研修施設からの指導の下で、一人医長を体験し実地に即した研修も行います。
さらに高みを目指す研修医には、国内留学、大学院研究のオプションも選択可能です。
あなたの前には、可能性が無限大に広がっています。夢に到達するために、どのような研修を組み合わせていくのがよいのか、教室の先輩医師達(様々なサブスペシャリティを持つ指導医)に相談しながら、考えていくことをお勧めします。
(青山 裕美)

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川崎医科大学附属病院

086-462-1111(代)∕ 岡山県倉敷市松島577

川崎医科大学総合医療センター

086-225-2111(代)∕ 岡山県岡山市北区中山下⼆丁⽬6番1号