留学体験記
土井田 進 先生 タイ留学
~消化器外科医がタイの田舎で心臓外科修練?~
サワディkrab 🇹🇭
2026年3月までタイ北部のLampang hospitalで心臓血管外科医として1年間働いておりました土井田進です。
私は、山口県の岩国医療センターで2年の臨床研修を行い、その後、岡山大学のプログラムで消化器外科医として3年間の修練を積みました。翌年、ひょんなことから、タイのランパーンに来ました。
留学に至る経緯
後期研修医の時に、留学に興味を持ちyou tubeを見ていたところタイで心臓外科医をされている先生の動画を拝見し、すぐにメッセージを送りました。消化器外科を先行しておりましたが、先方より問題ないとご返答頂き留学がすぐに決まりました。元々、心臓血管外科には興味はあったのですが、消化器外科も面白く、また当時の上司の強い勧誘もあり消化器外科を専攻しておりました。その頃は、手術の執刀機会も多く満足しておりました。その当時の僕にとって、1年間の心臓血管外科経験は消化器外科領域でも役に立つと思い留学を決意しました。
留学で感じたこと
1.言語の壁
元々の僕の英語力はToeic490点程度。日常会話すらできない程度です。留学したかった理由の一つは、環境に行けば勝手に話せると思っていたからです。大きな勘違いでした。毎朝、フェローのタスクとして英語の症例プレゼンをし、その後ディスカッションをアテンディングとするのですが、そもそも消化器外科医の僕は心臓の知識も全くなく、かつ英語もできないので、半年ぐらいはかなり苦労しました。手術中も、よく英語で教えてくださるのですが、ざっくりとはわかるけど細いところがわからなかったので、すごくむず痒く怖かったです。結論、なんとかなります。
2.寂しさ
とにかく寂しかったです。ランパーン病院には日本人は1人もおらず、田舎に位置しているため、その地域に住む日本人もいませんでした。また食事に関しても日本食屋っぽい日本料理屋しかありませんでした(画像1)。週末に日本人と電話をして、日本語を話せることに喜びを感じていました。
3.ランパーンと日本の違い
◯症例数の違い
ランパーンで開心術が年間600-700件あり、それを4人の心臓外科医で回しております。そのうち1人は血管外科が専門でほとんど開心術はしません。毎日、3件ありました。
◯資源の違い
基本的に、ランパーンで様々なものがリユースでした。日本ではハーモニック(数万円)の器具を、使い捨てで使うのですが、タイではリユースでした。そのほかにも、電気メス、ドレーンバック、人工心肺の管、覆布、手洗い後のタオルなど使いまわしていました。トイレットペーパーはさすがにディスポーザブルでした。
◯手術室の雰囲気
手術が毎日3件あり、スクラブナースも固定されているため開心術というものが、彼女達にとってただの日常で、特別感は全くありませんでした。手術中に家族からの電話に出ていることもよくありました。家族との電話は、術中よりも深刻そうな表情でした。スクラブナースは、第一助手から閉創までできます。(画像2)
4. 結論
行ってよかったです。
~留学してみたい人へ~
英語ができない僕は、消化器外科医としてタイのランパーンの心臓外科に、YouTubeを通じて行きました。そして、患者様の紹介で畝教授(川崎医科大学現心臓血管外科教授)と出会い岡山大学消化器外科を辞めて、ここに来ました。「まぁなんとかなります。」
留学は自分から行動しないとできません。留学を目指すのは医師の中でマイノリティです。信念を持ってトライしてみてください。その挑戦が正解か不正解かは、自分自身が決めることです。留学前は、心にもないことをたくさん言われましたが気にしないこと、自分を信じることが一番です。不安になったらこう思ってください、なんとかなります!!!人生は楽しまないと損ですよ?
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1. ランパーンの日本食屋 -

2. 手術中の写真 -

3. 患者搬送の様子(先進的!)