川崎医科大学 病理学1

学生(卒前)教育

病理学は,はじめて学生が系統的に疾患に取り組む学科です。2学年の「原因と病態」および実習, 3・4学年でのブロック講義と実習,4学年の病院病理部での臨床実習,および6年生での集中講義があり,この間に疾患の概念と病態を学びます。
「原因と病態」では,疾患を理解するために必要な基本的用語の説明,細胞傷害,炎症,循環障害,腫瘍,変性,代謝障害,感染症について学びます。基礎的事項の理解を深めるために,代表的な疾患の顕微鏡実習(バーチャルスライドを使用)を取り入れるようにしました。ブロック講義と実習では,臓器別に主要な疾患の組織像と病態を臨床講義と並行して学びます。講義の内容は,医学教育モデルコアカリキュラムに沿って行い,講義内容をまとめたプリントの配布やイラストを用いた教科書の採用など,学生の理解を容易にするよう努力しています。また,バーチャルスライドを取り入れた顕微鏡実習は,前もって各教官の授業内容にそって予習・復習できるように,病理標本の画像とその解説を入れたCD-ROMを学生に配布しています。6年生の集中講義では,症例を中心に病理学的事項を再度まとまった形として学びます。

附属病院の病院病理部での臨床実習では,病院病理部での診断業務の説明・見学や剖検の体験をとおして,また,あらかじめ用意された組織標本を実際に診断することによって,臨床医学における病院病理の役割と重要性を認識できるよう配慮しています。大画面の顕微鏡モニターが役立っています。病理学での講義はすべてPCと液晶プロジェクターに投影によるものとしました。講義の内容をモノクロのプリントとして配布しているが,臓器の肉眼写真や組織像などはカラーでないと理解しづらいです。そこで2009年より講義内容のカラー版PDFを学生用サーバに配置しています。また,一部の教官はブロック講義の試験にカラー写真を使用しています。また,パワーポイントの講義方式では,講義がはやくなりすぎる傾向があるので,講師各自の講義について学生の意見を取り入れた改善が必要と考えられます。実習に関しては,バーチャルスライドを用いて標本を観察し,そのスケッチをレポートすることを義務づけているが,これが逆に学習意欲を妨げている可能性もあります。実習および評価方法に関しては,バーチャルスライド教育の利点・欠点を考慮しながら,さらに改善していく必要があります。病理の臨床実習は今後4年生でのみ行われるので,その効果的教育法については川崎医科大学付属川崎病院からの教員を含めて更に検討する予定です。

教室への学生の受け入れ

病理学に興味のある学生が自由に研修・体験できるように教室および病院病理部を開放しています。休み期間中に学生が診療に参加し、実際の診断を体験しています。

病理学夏の学校

病理学夏の学校は、病理学に関心がある学生を対象に毎年夏に行っているイベントです。他大学(中四国)の学生と交流を深めながら、病理について学ぶことが出来ます。

夏の学校の様子はこちら↓

2010年
第11回病理学夏の学校に参加しました。


2008年
第9回病理学夏の学校
川崎医科大学が世話人となり、岡山県総社市で開催されました。

“第9回 病理学夏の学校” 開催報告(PDF)

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