入局案内

For Residents

入局について

川崎医科大学形成外科では、常時入局希望者を受け付けております。時期にかかわらず随時お待ちしております。
経験の有無を問いません。初期研修を修了して新たに専門を目指す若手の先生はもちろんのこと、他施設で形成外科をされていた先生や、別の専門分野でご活躍されていた先生も、どなたでも大歓迎です。

初期研修医 ローテート

形成外科診療内容を研修するために、初期臨床研修医を対象とした研修プログラムを用意しています。
臨床教育研修センターと連携し充実した内容となっています。

レジデント(後期研修医)研修

大学卒業後2年間の初期臨床研修を修了したのちに、形成外科専門医取得を目的として医師を養成するためのプログラムです。
こちらも臨床教育研修センターと連携し充実した内容となっています。

川崎医科大学形成外科レジデント研修の実際(研修課程の例)

N君

  • 医学部卒業
  • 大学研修医(2年)
  • 姫路赤十字病院(3年)
  • 三豊総合病院(2年)
  • 専門医取得
  • 大学院(4年)
    4年目は臨床業務【レジデント】
  • 大学講師

K君

  • 医学部卒業
  • 岡山医療センター研修医(2年)
  • 大学レジデント(1年)
  • 三豊総合病院(3年)
  • 独協医科大学(1年)国内留学
  • 専門医取得
  • 大学レジデント

I君

  • 医学部卒業
  • 大学レジデント(半年)
  • 福山市民病院レジデント(4年)
  • 福山医療センター研修医(1年)
  • 専門医取得
  • 某美容外科にて研修

見学・入局希望のお問い合わせ

常時、見学・研修・入局希望者を受け付けております。
後期研修医はもちろんのこと、形成外科の臨床経験があるかたも、そうでないかたも、また、時期は問いませんのでいつでもご連絡ください。
ご質問、形成外科にご興味があるかたは、お気軽に下記のメールアドレスまたは形成外科医局までご連絡ください。

メールでのお問い合わせ:お問い合わせフォームをご利用ください。

先輩からのメッセージ

当科で活躍中の先輩の声をご紹介します。

木村 知己

私は2年間の臨床研修医を終え、2009年に川崎医科大学形成外科へ入局しました。

当時は厚生労働省の臨床研修ローテートが義務化されてまもない時期であり、医局制度がまさに変革していく時代でした。医局に属さず、そのまま病院に就職していく人も増え、いわば「一匹狼」が流行っていました。

しかし、私は迷うことなく川崎医科大学形成外科へ入局しました。形成外科分野は洗練された手術手技の上に成り立つ世界であり、それは職人芸のごとく、伝承されていくものです。それを学ぶには、全国でも有数の伝統とレベルを誇る川崎医科大学が最も良いと判断しました。

川崎医科大学形成外科はその伝統ゆえに中国・四国地方内に数多くの関連病院を持ち、定期的にローテートすることで地域の特性に合わせた様々な症例を経験できます。また、優秀な指導医も多いため、指導体制を整え、若手医師を立派な専門医に育てる環境が整っています。国内・外留学も行っており、私は昨年度、獨協医科大学形成外科へ1年間留学させて頂き、大変貴重な経験をたくさん積むことができました。

近年、形成外科医になる医師は減っています。さらに、東京など大都市に集まる傾向にあり、地方大学の入局者は減少しています。実は私も同期入局者はいません。大学病院も少ない医師数で日々の業務をこなしています。入局者が少ない大学は大丈夫か・・・?と不安に思う方もいるでしょう。

しかし、考え方を変えれば、それは一人で得られる経験値が圧倒的に高いということです!

外科医は経験してナンボの世界です。成功、失敗、様々な経験を経て、一人前の外科医になっていきます。どんな名医も、まずは初めての手術があり、そこから無数の経験を積んでその頂きにいるのです。天賦の才能なんか必要ありません。真摯に患者と向きあい、努力し続け、得られた経験から学んでいくことが大切なのです。

個人的には、スポンジのように吸収し伸びていくのは最初の5年間だと考えています。その5年間を、ライバルがする手術をただ見ているだけか、それとも自分が執刀してモノにするか・・・ 光陰矢の如しです。

その形成外科医としてのスタートを、我々は最大限サポート致します。

医局からのメッセージ

01.豊富な症例実績

あなたが形成外科医として、成長するには何が一番大切でしょうか。もちろん多くの参考書や論文を読んで知識を充実させることも必要ですが、何より実際に数多くの治療を経験することではないでしょうか。

川崎医科大学は、様々な経験を積むのに最適な場所です。

ほぼ毎日、様々な手術を行っています。細部にこだわる巧みな手術から、派手で大きな手術まで、形成外科でしかできない手術がたくさんあります。
もちろん、創の状態や患者さんの状態・要望に合わせ、時には手術をせず、保存的治療にて治すことも少なくありません。体系的に治療方針を考え、最善の治療を学んでいけるのです。

多くの症例が集まるのには理由があります。まず、大学病院がある岡山県倉敷市は、関西・中国・四国地方とつながる交通の要所なので、岡山県のみならず近隣他県からも多くの患者さんが受診されます。そして、川崎医科大学附属病院は大学病院でありながら、「24時間いつでも、すべての患者を診る」という理念のもと運営されているので、あらゆる疾患の患者さんが集まってくるのです。大学病院ならではの難しい症例もあれば、一般病院と変わらない軽症患者さんも数多くいます。それらがすべて、ひとつの施設にいながら経験していけるのです。
他科との連携も密にしています。当大学の救急部はドクターヘリを運用しており、多くの重症外傷・熱傷患者さんが運ばれてきます。また整形外科との重症四肢外傷手術、乳腺外科との乳がんに対する乳房再建、耳鼻咽喉科との頭頸部がん再建、血管外科との虚血性下肢潰瘍手術など枚挙に暇がありません。

他では診られないような症例を、ここでは数多く経験できるのです。川崎医科大学ならば、どこでも通用する形成外科医になれることをお約束します。

02.安心の教育体制

豊富な症例があり、たくさん経験できる環境ですが、右も左もわからない若手の先生にいきなりメスを握らせるわけではありません。それでは若い先生もプレッシャーでしょうし、何より患者さんに失礼です。当教室では上級医とレジデント数名でチームを組み、ひとりの患者さんをチームで診療しています。まずは上級医の診療を見ながら学びます。学ぶは、「まねぶ(学ぶ)」と同源で、「まねる(真似る)」とも同じ語源だそうです。上級医の仕事を真似ることで、自然に力がついてきます。そして上級医はあなたの実力を見極めながらどんどん執刀させていきます。いつまでも「見て覚えろ」とは言いません。

臨床経験だけではありません。手術の勉強会などを通して頭で理解できるよう、指導していきます。我々はあなたの成長スピードを見ながら、一人前になるまで温かく見守っていきます。

形成外科医をやっていくにあたり、ひとつの節目になるのが専門医取得です。専門医ということは、この分野で一人前ということを証明してくれるものです。したがってその称号を手に入れることは決して簡単ではありません。ひとりでそれに臨むのは非常に困難です。でも、ご安心ください。当教室では専門医があなたを指導し、専門医取得を全面的にサポートします。我々はあなたが一人前の形成外科医になってくださることを切に願い、協力を惜しみません。

03.特殊技術の習得

形成外科医のとっておきの飛び道具は何かご存知ですか?それは遊離皮弁や切断指などの手術で行う、わずか数mmの血管を顕微鏡で見ながら縫う技術です。マイクロサージャリー(略してマイクロと呼びます)という分野ですが、これは特殊な訓練を積まないとできるものではないので、他科の先生ではなかなか真似できない技術です。

そんな特殊な技術を川崎医科大学形成外科でなら習得できます!なぜなら、伝統的に昔からやっていたことに加え、平成26年度から当大学の整形外科に長谷川健二郎教授が就任し、マイクロトレーニングセンターを設立したからです。長谷川先生は主に手の外科を専門としており、切断指の再接着に関しては世界的権威なので、就任以来岡山県中のみならず周辺隣接県から切断指の症例が一挙に集まっています。我々も切断指再接着および遊離皮弁移植、リンパ浮腫のリンパ管静脈吻合術の際は、長谷川教授と共に手術をし、その世界最高峰の技術を目の前で学んでいます。

マイクロトレーニングセンターでは、最初は模型の血管からはじめ、最終的にはラットの血管を使って1mm以下の血管も吻合できるようにプログラムを組んで行っています。このプログラムを整形外科・形成外科合同で指導しています。そしてわずか数ヶ月で世界レベルの血管吻合ができるようになるのです。そして特徴的なのは長谷川健二郎教授率いる整形外科は整形外科・形成外科関係なく所属できるということです。形成外科に所属していても、手の外科やマイクロ全般を学びたいと思えば、そちらの比率を重視し、徹底的に血管吻合を学ぶことができるのです。これは各科の垣根が低く、連携がとれている川崎医科大学ならではのシステムです。

あなたも世界最高峰の技術を習得してみたいと思いませんか?

04.学術活動も大事です!

形成外科医として臨床で手術や治療を行うことは最大の仕事ですが、学術活動も忘れてはいけません。医師である以上、常に最先端の医療を学び続け、さらに自分達の成果を発表し、社会に貢献することは何よりも大切な義務です。我々は充実した臨床研修と同時に、積極的に学術活動にも参加し、バランスのとれた医師を養成しています。

学会発表、論文作成、大学院進学、国内外の留学など、あなたのアカデミックな活動を指導し、奨励します。また、大学なので学生教育にも力を入れています。形成外科分野はマイナーのため、大学教育では軽視されがちです。しかし、きれいな傷あとや再生医療など、現代医学において形成外科はこれからさらに発展し、社会に貢献できる分野です。だから形成外科がやっていることをきちんと理解してもらいたい。そして患者さんを第一に思う、人格に優れた医師を育てたい。そんな情熱を持って我々は学生を、そして若手医師を育てています。腕も頭も、そして人間性も。バランスに優れた良医を我々と共に目指しませんか?

05.医局ってどんな感じ?

形成外科に興味を持ってくださったあなた。でも、どこの大学に入局するかというのは大きな問題ですよね。確かに川崎医科大学形成外科学教室は平成27年に創立40周年を迎え、形成外科界では老舗です。数多くの医局員を抱える大きな医局なら、「教授をピラミッドとしたバリバリの封建社会だったらイヤだなぁ」と思うかもしれません。

しかし、結論から申し上げます。まったくそういうことはありません。

大学スタッフは、みんな気さくで優しい先生達ばかりです。他施設に出向している先生達も丁寧に仕事を教えてくれます。特に今の大学スタッフは若い先生が多く、過度の上下関係はないので、みんな萎縮することなくノビノビと仕事をしています。ちゃんと仕事を終わらせれば、上司より先に帰っても誰も怒りません(笑)有給消化や夏休みもしっかり取れます。白い巨塔のような医局はもはや時代遅れなのです。

川崎医科大学の特徴として、各科の垣根が低く、スタッフ同士がお互いを尊重しながら仕事をしています。ですから変な学閥もなく、それは当教室でも同様です。川崎医科大学出身はもちろんのこと、他の国公立大学や私立大学など様々な大学卒業の先生が集まっています。あなたの出身大学は問わないので安心してください。

伝統があるため、関連施設が多いのも特徴です。岡山県を中心に関西、中国・四国地方に関連施設があります。若手のうちは大学や関連施設を数年ごとにローテーションします。ひとつの施設だけで偏った経験を積むのではなく、いろいろな関連施設を回ることで、施設ごとに多い疾患を集中的に学びながら、また多くの師匠に学びながら、形成外科医としての幅を広げていくのです。

なお、その際は医局人事で異動して頂くことになりますが、当教室では最大限、個人の希望を尊重し人事を決定するように配慮しています。ですから将来的にも、あなたの希望に沿った道をご用意できます。大学に残りたい人、地元に帰り関連施設で部長になりたい人、はたまた開業したい人。様々な選択肢に応えられるのも大きな医局ならではのメリットです。

気になる収入面ですが、希望に応じて外勤を斡旋できるので、収入は確保されています。低収入で大学勤務に縛られるということはないので、ご家族持ちの先生でも安心して頂けるかと思います。

形成外科界では女性医師の比率も高いです。当教室でも時代を反映し、女性の先生が毎年入局してくださいます。そんな先生方も出産や育児でいろいろ大変ですが、当医局は女性医師を最大限サポートします。体調に合わせ、休んでも支障がないよう勤務体制を組んでいます。さらに当院には院内保育、病児保育もあるので安心して働けます。もちろんイクメンも全力でサポートします。ご家族を大切にし、バックアップがあってこそ医師として仕事に集中できるのです。年に1回の医局旅行ではご家族もご参加して頂き、みんなで楽しい思い出を作っています。我々はあなたのご家族も大切にしていきます。

06.岡山はいいところ!

有意義な研修をおくるためには、周辺の環境も大切です。

川崎医科大学は岡山県倉敷市の中庄という場所にあります。周辺には住居や飲食店が多く立ち並び、駅も近く、生活にはとても便利な場所です。岡山市と倉敷市の間にあり、それぞれの中心部にも車で20分以内の距離です。近くには高速道路のI.C.がふたつもあり、それぞれ関西・中国・四国地方につながる高速道路なので、どこへ行くにも便利です。大阪まで新幹線で1時間弱、さらに飛行機なら東京まで1時間と、あまり距離を感じさせません。

岡山は1年中、気候は温暖で安定しており、「晴れの国岡山」と言われるほど晴れる日が続きます。さらに近くには活断層や活火山がなく、台風も滅多に直撃しないので災害の心配がありません。今の日本は災害が頻発しており、心配な方も多いかと思いますが、岡山はその点も安心です。

岡山市は人口70万人で政令指定都市です。確かに東京や大阪など大都市と比較したら小さい都市で物足りない「田舎」かもしれません。でも、車の渋滞や人気のお店で数時間待ちなど、疲れてしまいませんか?岡山ならそういうことは少ないのです。しかし、そこそこの規模の都市なので、必要なものはほぼ全て揃っています。そんなちょうどよい都市、それが岡山なのです。ちょっと都会の空気に触れたければ、大阪、神戸、広島なんてすぐ隣です。さらに北に行けば温泉やゴルフ場がたくさんあり、冬には山でスキーやスノボもできます。少し南に行けば瀬戸内海があり、マリンスポーツや海の幸を満喫できます。都会と自然が融合した、こんなバランスのとれた街なら子供もノビノビ元気に育ちます。岡山はそんな素晴らしい立地なのです。

住みやすい町で働き、休日はしっかりリフレッシュする。いい仕事をするにはプライベートも大事です。あなたの充実した研修生活を支えるには岡山はいいところですよ。

川崎医科大学マイクロサージャリートレーニングプログラム

Kawasaki Medical School Microsurgery Training Program;KMTP

医局からのメッセージにも取り上げていますが、我々川崎医科大学では将来のマイクロサージャンを養成するためのプログラム教育を行なっています。

KMTP; Kawasaki Medical School Microsurgery Trainingは2015年に開始され、Stage1からStage5まで段階の応じたトレーニングを行い、Stage5の修了者は臨床において直径0.5mm以下の血管を吻合することができるようになるように構成されています。

実際に当院の2年目の初期研修医が43日間でこのプログラムを修了し、修了後に実際の母指不全切断に対して再接着術を執刀し、成功させています。

このように今までは一部の医師が行い得る特殊な技術であったマイクロサージャリーですが、昔に比べて敷居もかなり低くなってきており、学びを希望する先生には広く門戸が開かれています。ただし、実際の臨床の場で手術を行うためには高度な技術が必要とされます。どの施設でも経験を積む機会は限られており、少ない機会で技術を磨いていくには、きちんと整備されたトレーニングの場が必要不可欠であると考えられます。当院では指導医及び修了者が対面式顕微鏡を用いて直接指導を行なっています。初めは全く何もわからない状態や興味があるのかないのかもわからない状態の先生も、技術を習得するにつれ、成長を感じ大きな達成感を得ることができるでしょう。

※新型コロナウイルス感染症の拡大で、現在他大学、他施設からのプログラムへの参加は、原則受け付けておりません。詳しくはお問い合わせまでお願い致します。