はじめに ー教授ご挨拶ー

臨床検査医学は、基礎医学と臨床医学をつなぐ架け橋となる、総合的な学問分野です。日々の業務においては、単に正確な結果を提供するだけでは不十分であり、診断や治療に真に寄与する検査の提供が求められます。この理念を体現する「検査診断学教室」という名称は、日本における臨床病理学の先駆者である故・柴田進元川崎医科大学学長によって命名されたものであり、私たちの進むべき道を明確に示しています。

現在の検査診断学教室は、これまで独立して活動していた「検査診断学(病態解析)」教室と「検査診断学(内視鏡・超音波)」教室が、2025年7月に統合されて新たに発足しました。両教室が長年にわたり築いてきた伝統と豊かな経験を継承しながら、新たな教室として、臨床検査領域全般にわたる教育・診療・研究に力強く取り組んでいます。本教室は、主に検体検査を専門とする病態解析グループと、生理検査を専門とする内視鏡・超音波グループの融合により、臨床検査医学を広く網羅する体制を整えています。教育面では、医科大学における講義に加え、臨床実習開始前の包括的な実習も担当しており、学生の実践的な学びを支えています。また、隣接する川崎医療福祉大学においても、臨床検査学科を中心に複数の学科で教育活動に従事しています。診療面では、川崎医科大学附属病院および川崎医科大学総合医療センターの中央検査部において、検体検査・生理検査の実施および部門の管理・運営を担い、高度な臨床検査の提供体制を構築しています。さらに、川崎医科大学高齢者医療センターにおいても、臨床検査のマネジメントに携わり、高度医療への貢献を果たしています。

病態解析グループは、全員が血液内科出身です。血液内科はしばしば特殊な専門分野と捉えられがちですが、実際には全身管理を必要とする、極めて総合的な内科領域です。私たちは、こうした臓器横断的な臨床経験を活かし、ベッドサイドで真に役立つ臨床検査の提供を信条としています。内視鏡・超音波グループは、消化器内科出身者で構成されています。主に消化器領域を中心に、内視鏡検査、超音波検査および各種消化管機能検査を担当しています。診断精度の向上と低侵襲技術の確立を目指し、常に最新技術の習得と導入に努めるとともに、患者さん一人ひとりに寄り添い、安全かつ質の高い検査の提供を心がけています。

研究の推進は、当教室の中核的使命の一つです。私たちが志向するのは、リサーチマインドを備えた臨床医の育成に資する研究です。その目標に向かって、「生命現象の本質に迫る基礎研究」と「日常診療に即応する臨床研究」の二本柱のもと、体系的かつ実践的に研究を展開しています。病態解析グループは、基礎研究として、血液疾患を中心に悪性腫瘍から良性疾患まで幅広い病態を対象として、診断精度の向上、病態の解明、新規診断・治療戦略の構築を目指した解析を実施しています。臨床研究においては、中央検査部の特性を活かした診療科横断的な研究を推進しています。また、多施設共同研究や全国規模のレジストリ調査などにも積極的に参画し、エビデンスの創出に寄与しています。内視鏡・超音波グループは、各種消化器疾患の病態解明・新規診断法の確立・診断精度の向上、治療戦略への臨床応用を目指した研究・診療を行なっています。また、多施設との共同研究、国際研究にも参画し、医療の質の向上に努めています。

私たち検査診断学教室は、川崎医科大学から世界へとエビデンスを発信することを目指し、質の高い研究の推進に努めています。診療・教育・研究のいずれの分野においても、新たな価値を共に創造する仲間を広く求めています。ご関心をお持ちの方は、ぜひご連絡ください。

 

 

お問い合わせ先

〒701-0192 岡山県倉敷市松島577
川崎医科大学検査診断学 北中 明
TEL:086-462-1111(研究室内線25515)
FAX:086-462-1199
E-mail:kitanaka[a]med.kawasaki-m.ac.jp
(研究室は医大本館棟5階 5515室)