教授対談

教授対談

Dr. 守田 吉孝

教授対談

Dr. 中野 和久

膠原病専門の独立した教室を有する大学医学部がまだ少ない中、本学のリウマチ・膠原病学教室は、2010年4月に新設されました。
開設以来、学内外から新たな診療スタッフが加わり、今や西日本を代表する膠原病学教室の1つとなっています。

ー 川崎医科大学 リウマチ・膠原病学教室の特長はどこにあると感じますか?

守田)スタッフ同士の距離感が近く、アットホームなところでしょうか。大学医局の「当たり前」は、当科にないと思います。

中野)多くの医局がトップダウン方式となっていて、教授の意向によって医局員が動いているイメージがあります。しかし、当科はどちらかと言えばボトムアップ型。各々の医局員の価値観や意見を共有し、相談する過程を大事にしていますね。

守田)スタッフから、「相談があるんです」と気軽に言われる上司でありたいと思っています。勤務内容や仕事の方向性など、本人の個性や希望をもとによく話し合うことを心がけています。

守田先生

ー 中野先生は最近、川崎医科大学に赴任されたと伺いました。どのような経緯で移籍を決意されたのですか?

中野先生

中野)私は北九州の産業医科大学で働いていました。臨床面では病棟医長を10年程任され、診療面では責任ある立場でした。
守田先生のことは、私が米国留学前に読んだ研究論文で知っていました。2012年に米国留学から帰国し、母校の産業医科大学で働く中で、臨床・研究面でとても精力的に仕事をしている川崎医科大学を意識するようになりました。
学会・研究会で守田先生や教室の先生方とも面識を持つようになり、その後、守田先生からのお誘いもあり、本学に移籍しました。

守田)中野先生と私は、若い頃から一貫して関節リウマチの基礎研究をしてきたという点で、共通点があります。中野先生は研究面のみならず、臨床の実務経験がとても豊富です。温厚かつリーダーシップもあり、本当に素晴らしい先生が仲間になってくれました。

中野)微力ながら、今までの経験を教室のさらなる発展に活かせればと思っています。

ー 今後、どのような研究を進めていきたいと思っているのですか?

中野)膠原病などの自己免疫疾患は、遺伝的要因もありますが、後天的な環境要因によって遺伝子発現が制御されるエピゲノムが重要であることが近年注目されています。今まで、関節リウマチとエピゲノムに興味を持って研究をしてきました。今後、SLEや強皮症など疾患を広げて研究を継続したいと思っています。
特に力を入れたいのは、日常臨床での疑問に根ざした研究 (clinical question driven research)です。データサイエンスや臨床統計手法を用い、若い先生方の自由な発想を活かした研究を行いたいと思います。例えば、DPCの全国ビッグデータベースを利用した研究経験もあり、今後も継続するつもりです。また、人工知能(AI)技術を臨床にどのように活かしていくかも興味深いテーマですね。

守田)本学は免疫学などの基礎医学教室や他の臨床教室との垣根が低く、共同研究を行いやすい環境にあります。今後も積極的にコラボレーションを図り、基礎・臨床研究を進めていきたいと思っています。

守田先生中野先生

ー 後期研修医として入局した場合には、どのような研修になるのでしょうか?

守田)現在の初期研修制度は、多くの診療科を比較的短期間でローテーションする必要があるため、内科医を志す医師は、総合診療経験が不十分のまま、内科の後期研修に入らざるを得ないという欠点を抱えています。
後期研修では、特定の臓器に関連する疾患の診療には詳しくなると思いますが、多臓器疾患に触れる機会が乏しくなりやすいのが難点です。
膠原病あるいは自己免疫疾患は全身性疾患であるため、当科の研修では、肺、腎臓、神経など全ての重要臓器の疾患を経験できます。また、関節や皮膚所見の勉強ができることも特長です。内科医に必要とされる幅広い総合診療経験を積めることが強みだと考えています。

中野)免疫系についての知識を持っていると幅広い疾患に対応ができるというのは、私たちの最大の強みだと思います。また、筋骨格系についての知識も学べるので、高齢者の診療にも役立つことは多いですね。

守田)その通りです。将来、地域で総合内科医になることを志して、当科に入局した医師もいます。リウマチ・膠原病分野は、総合内科診療を学ぶにはとてもよい領域だと思います。総合内科医を目指す医師には、他の臨床教室や他大学での研修も勧めるようにしています。

中野)専門としているリウマチ・膠原病分野については、勿論、西日本でトップレベルの臨床教室と思います。知識や診療経験の豊富な指導医が揃っていますから、本邦のみならず、世界標準での診療が学べる環境であることは間違いないですね。

守田先生

ー 女性医師も多数在籍されているみたいですね。

中野先生

守田)膠原病患者さんは若い女性が多く、妊娠・出産といったライフイベントを患者さんと一緒に考えることができる女性医師のニーズはとても高いんですよ。
教室が開設されてから20名程の医師が在籍しましたが、そのうち半数近くが女性医師です。医局員は毎年流動がありますが、だいたい10名弱が大学で勤務しているかと思います。現在、講師の2名が女性です。
院内保育や病児保育もあり、また産休や育休、あるいは育児に専念するため一時的に休職する等、女性医師のライフプラン・ライフステージに応じた働き方にも、柔軟に対応しています。

中野)働きやすい医局というのは大切ですよね。女性医師・男性医師に関わらず、勤務体制についてはよく相談し、各々の事情やモチベーションを大切にしながら決めていくことが大切と考えています。

ー 最後にリウマチ・膠原病学教室に興味を持たれた先生にメッセージをお願いします。

守田)ぜひ気軽に連絡あるいは見学に来て欲しいですね。他領域を専門とする中堅医師が、サブスペシャリティとして、リウマチ・膠原病を研修したいという希望にも柔軟に対応しています。半年あるいは一年間だけでも可能です。
一緒に高い専門性と総合診療力を目指す仲間を募集しています。
「皮膚科の先生」の研修もお受けしています。乾癬性関節炎やSLEの診療のほか、生物学的製剤やJAK阻害薬などの治療薬の使い方の勉強にもなると思いますよ。

中野)この教室の一員となれて、自分自身とても満足してます。さらに働きやすく、魅力的な教室として発展していけるよう皆と力を合わせて頑張りたいですね。

守田先生中野先生