第1回 FIM講習会in出雲 / 質問と回答
FIM講習会質問

【総論】

質問

通所・訪問サービスの利用者を採点する場合、18項目を採点するのが困難な場合はどうするか?

答え

FIMすべての項目について評価することが原則(空欄を残さない)ですが、もし患者が検査をすることによりケガをする危険があると思われる場合はその項目は1点と評価します。

質問

6点でいう3倍以上の時間は、セルフケア、移乗、移動にも共通していえることか。また遅いと感じる時間は評価者の主観的な判断でいいか。

答え

共通して言えます。評価者の主観的な判断でいいです。

質問

介助者の都合で介助量が多くなる場合は? 介護者の都合の具体例があれば教えてください?また介護者で点数が違う場合は?

答え

点数が低い方で採点します。介護者の体格や技術などがあります。可能であれば介護者(評価者)は統一することが望ましいです。

質問

パーキンソン病患者でON時とOFF時でADLに差が生じる場合は?

答え

低い方で評価します。

【移乗・移動】

質問

車いすの電動、手動を問わないのはなぜですか。 使う車いすが違うと点数が変化しますか。

答え

実際に行っている動作の介助量を測定するからです。(移動距離を達成するのに必要な配慮・介助量)。 実際に使っている車いすで評価します。

質問

ベッドで寝ているときに自力でリモコン操作し起き上がりやすいようにすることはどう解釈するのですか。

答え

起き上がり自体は6点ですが、そのあとの乗り移りを合わせて評価してください.

質問

介助者の判断によって、触れるまたは触れない場合にはどう解釈すればいいのですか?

答え

評価者を統一して頂き、同じ介助者でそのようになる場合は低い方をつけてください。

質問

また、手すり使わなくてもできる人が、手すりがあるから使う場合はどのように評価すればよいですか。

答え

しているADLで評価してください。

質問

階段で4から6段で手すりで可能な場合は何点ですか?

答え

5点です。

質問

普段部屋では車いす移動、歩行訓練ではシルバーカーで歩行可能な場合は車いすでの評価でいいですか。

答え

両方評価しますが、訓練場面ではなく、普段しているADLで評価してください。
(この場合は車椅子。)

質問

屋内15mという距離はおおよそでいいでしょうか?屋内は段差があるため、15m歩けませんが、屋外はシルバーカーで修正自立している場合はどうですか?

答え

おおよそでいいです。歩行は平地で評価します。段差は、階段の項目で減点してください。

質問

シャワーチェアでは5点レベル、浴槽をまたぐのには3点レベルの場合はどうですか?

答え

普段している方の低い方で採点してください。(両方している場合は3点.)

質問

階段や、階段機具の無い場合はどうですか?

答え

評価出来ない場合は1点です。

質問

階段の段数で12~14、4~6段と幅を持たせているのは何故ですか?

答え

12~14段はワンフロアの昇降で、4~6段は入り口や、部屋に入る時の動作を想定しています。

【セルフケア】

質問

食事で動作は可能であるのですが、摂取量の問題で後半に口まで運ぶ介助が必要な場合は減点対象になりますか?

答え

減点対象になります。

質問

片麻痺のため、非利き手でお茶碗は持てませんが、食事可能な場合はどのように評価しますか?(食事準備がいらない場合)

答え

動作は可能であるため7点となります。

質問

経鼻栄養を併用している場合はどちらで評価するのでしょうか?

答え

低い方の点で評価してください。

質問

排便管理の評価項目は何ですか?また、腹圧をかけるのが2点になるのがなぜなのかわかりません?

答え

評価項目は、座薬の挿入、浣腸、摘便、腹圧援助です。また、腹圧のみ可能である場合は規定により2点。他の排便動作が可能である場合には、他の動作を合わせて判断してください。

質問

座薬を頻回に毎日自己挿入する場合は何点になりますか?

答え

修正自立で6点です。

質問

バルーンカテーテル留置の場合で交換を全介助で行っている場合は?

答え

集尿袋の自己管理、膀胱洗浄を自己で行えるかどうかで、点数は変わってきます。

質問

排尿に関して、出したいときにスムースに出せない場合は評価点数に反映されますか?

答え

反映されません。

質問

整容など評価する項目が5から4項目ある場合、1項目25%とし、1項目が半分程度の自立度であった際には、その項目を12%とし、合計25+25+25+12=87%FIM4点という考え方でいいのでしょうか。

答え

その通りです。4点となります。

質問

また、口腔ケア後、残留物のチェックが必要な場合はどのように評価すればよろしいですか?

答え

チェックする動作自体が入れば4点となります。

質問

靴下、靴の着脱に介助が必要であっても、その介助量の違いによって、FIM3or4に分かれてしまうのではないですか?また、%の加重平均を厳密に行った方がいいですか?

答え

実際にはそこまで細かく説明する必要性は示されてはいません。細かく評価する場合は、加重平均で%を採点します。

質問

普段病衣を着ていて、 「社会的に受け入れられる衣服」 を使用していない場合は何点ですか?

答え

原則として1点です。

質問

靴下をはくことがなければ、3動作に分割してもいいですか?

答え

生活上本当に必要でなければ構いません。

質問

スライドでは4点の動画がありますが、どのように4点と評価したのですか?

答え

ズボンを下げる。おしりを拭く。ズボンを上げる。のすべての動作が自分で行えています。しかし、バランスを保つため、軽くささえてもらう必要があるため、4点となります。

【認知項目】

質問

身体障害が重度で、寝たきりの方の社会的交流の採点方法はどうするのですか?

答え

自発的に何も交流していない場合は1点となります。また、発話などがなくても、Yes‐Noなどでやり取りで礼節が保たれていることがわかれば7点となります。

質問

入院中には、金銭管理などを家族が行うことが多く、そのような状況や必要がないことが多いです。その場合の採点はどうすれば良いのですか?

答え

実際に支払うなど行動するのが家族であっても、それを指示したり、気遣う、関心を持つかどうかで判断します。

質問

転倒の危険があることを注意され、理解もしていますが、遠慮して声をかけなかった場合は減点するのですか?また、「気を付けています」と一人で歩いてしまう場合はどうするのですか?

答え

危険であるにもかかわらず、声をかけないことは危険の理解が不十分であり、周囲に不安を与えるので減点 します。*頻度で点数を算出します。 1~5点 。

質問

メモリーノートを使用していて、自発的に確認していますが、内容は全く覚えていない場合はどう評価すれば良いですか?

答え

道具を使用して生活が自立しており、他者の介助を必要としない場合は6点となります。また、介助が必要であれば、その頻度で点数を算出しますので、1~5点となります。