研究の紹介 medical research

認知研究グループ

 認知研究グループでは、主に脳外傷や脳血管障害などに伴う高次脳機能障害(失語症も含む)に対する研究や、小児のASD/ADHDを含む発達障害に対する研究を中心に幅広く研究活動を行っています。
 リハビリテーション医療というと、どうしても運動学的障害に対する治療をイメージしがちですが、実は高次脳機能障害や発達障害などの認知情動障害患者に対しても非常に重要な役割を担っています。重度のTBIや脳卒中を扱う大学病院においては、リハビリテーション科専門医が多くの診療時間や労力を割いているのは、“運動機能障害”に対してではなく、むしろ”認知情動障害”に対してであるといっても過言ではありません。患者自身はもとより、ご家族にとっても目に見えにくい認知情動障害の理解は難しく、医師には丁寧かつ慎重な対応が求められるためです。もちろん医師にとっても、認知情動障害の病態解釈や加療方針の決定は難しいものです。
 しかし、このような認知情動障害患者の社会参加達成に向けての研究、たとえば脳機能基盤の解明やリハビリテーション技術の開発などに関する研究は全国的に見ても未だ十分になされているとはいえません。そこで当研究グループでは、臨床経験豊富な多職種の研究者が集い、患者の社会参加達成の一助となるべく、f-MRI/NIRS/ドライブシミュレーターなど大学ならではの研究機器も駆使して認知情動機能に関する研究を活発に行っています。当該分野の研究は今後も益々重要となることが見込まれています。
以下に現在当研究グループで行われている研究の一部を紹介いたします。

・社会的行動障害者における問題行動の背景にある脳機能基盤の解明と臨床応用
・高次脳機能障害を有する危険ドライバーの簡便な方法での検出に関する基礎的研究
・高次脳機能障害外来受診者/小児発達障害患者の長期経過に関する検討
・急性期に重度意識障害を呈した脳外傷児(者)の高次脳機能障害の予後に関する検討
・失語症の身体障害者認定基準および障害福祉サービスへのニーズに関する研究(多施設共同研究)
・発達障害児の行動障害に関する実態調査
・自動車運転予測シートと教習所での実車評価との整合性に関する検討  等

リサーチ
身体機能研究グループ

 本グループは神経系や骨関節系の患者や、集中治療室に入院した患者の四肢・体幹の機能を対象としたリハビリテーションに関する研究を行っています。
 具体的には手術後の筋力低下や脳卒中後の麻痺に対する電気刺激や磁気刺激を用いた治療の効果を調べる研究や、筋肉の状態を超音波で評価する研究、入院中のサルコペニアやフレイルに関する研究、麻痺患者がより円滑に歩行できるための装置を搭載した下肢装具の開発などがあります。
 川崎医科大学附属病院には急性期の患者だけでなく、急性疾患や手術後で集中的にリハビリテーションが必要(回復期)な患者も入院しているため、その時期に応じた適切な訓練や評価を実施する必要があります。現在そして将来の患者により良いリハビリテーション医療が提供出来るよう、日常の診療と研究に力を注いでいます。

リサーチ
呼吸・循環・嚥下研究グループ

リサーチ 三次元動作解析システム(写真)を用いた呼吸運動の動作解析などの研究を行っています。他にも高齢者や各疾患の呼吸機能の研究を行っています。

 舌圧測定器やハイレゾリューションマノメトリーなどの機器を用いながら、舌の筋力強化訓練が嚥下機能、構音機能に与える影響について研究しています。また、超音波断層装置を用いて、嚥下関連筋の筋肉量を定量的に評価することにより、サルコペニアの摂食嚥下障害に関する研究を行っています。その他、栄養士とともに回復期リハビリテーション病棟入院患者を対象に、リハビリ栄養に関する研究などを行っています。

地域医療研究グループ

 現在、我が国では超高齢化対策として、「地域包括ケアシステム」の早期構築が提唱されております.すなわち、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、重度の要介護状態となっても住み易い地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される街づくりを目指すというものです.我々が従事しているリハビリテーションの分野は、地域包括ケアシステムにおける主軸の一つになっています.「地域班」は、特に介護保険制度で要介護・要支援の方々のADL低下が抑えられ、実りある日常生活を送れるようにするために、医療介護福祉職や地域住民に対して、リハビリテーションの基礎知識を普及のため定期的に研修会を開催しています。このような研修会活動を通してエビデンスのあるリハビリテーションの推進について研究して行くグループです。