循環器内科学の紹介 / 

教授の挨拶

川崎医科医科大学循環器内科について

 川崎医科大学循環器内科学教室のホームページをご覧いただきましてありがとうございます。
この度、当循環器内科学教室を担当することになりました上村史朗と申します。

 当教室は昭和51年に沢山俊民先生が初代教授として開講、続いて吉田清先生の指導の下に我が国における臨床研究、
特に心血管イメージング研究の主要施設として発展し、この間一貫して患者さんの立場に立った実地臨床、患者指向性研究
(patient oriented research)、医科大学教育に力を注いでまいりました。2015年1月から新体制となりましたが、
今後もこの伝統を継承しつつ、新しい流れを取り入れながら教室をさらに発展させていいきたいと考えています。

 循環器疾患は、高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病を基盤とした長い潜伏期間ののちに急速に発症し、我が国の
死因の約3分の1を占める重要な領域です。従来からの生活習慣病に対して精力的な一次予防的介入が行われてきましたが、
心血管疾患発症率の上昇は食い止められているものの、未だ劇的な減少は得られていません。当教室では心血管イメージング・血液バイオマーカーの臨床研究を推進することによって、心血管疾患の発症や進展に対するより精度の高い発症前予測因子を確立して科学的根拠に基づく患者個別の先制医療(pre-emptive medicine)を実践すること、さらに先進的イメージングを併用した精度の高い治療によってより効率的な二次予防法を確立することを目的として研究活動を行っていきたいと考えています。

 実際の診療に関しては、一般、救急を問わず受診ニーズに必ず応じられる体制と独自の臨床研究の成果に基づいて、常に「患者にやさしい高度循環器医療」をめざします。しかし、循環器内科診療においてすべての患者さんのニーズに応じるためには、単一施設の体制では困難であり、病診・病病の連携が大変重要であります。私たちスタッフ一同は、関連医療機関との密な連携を通して地域医療にさらに浸透していけるように努力してまいります。

 もう一つの重要な教室の使命は“基礎、臨床研究を通して医学の発展に貢献できる人材”を育てることにあります。そのために、臨床家の視点とリサーチマインドを兼ね備えた医師の養成が求められます。学部教育、臨床研修、専門教育を通して、

(1) 全人的かつ包括的な診断ができるような学部教育
(2) 内科医としての十分な素養に基づく循環器内科の専門教育
(3) フォーカスする領域における研究の推進と成果の積極的な発信ができる人材の育成

に力を入れています。

 以上、スタッフ一同、川崎医科大学循環器内科から新しい医療と医学研究を広く展開させていきたいと考えております。

 今後ともご指導ご鞭撻をいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

教授 上村 史朗