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臨床

麻酔

麻酔

 川崎医科大学附属病院の中央手術室は13の手術室と3つの血管造影室、1つのCT室から構成され、これら全てが集中治療室に隣接し、同じフロア内にあります。術後に集中治療を要する患者の動線を短く抑えることができると同時に、緊急時にはスーパーバイザーなどが素早く駆けつけられる構造になっています。

 全身麻酔で行われる手術は全例が麻酔科管理であり、多くの科および広い年齢層にわたって症例に偏りが少ないのが特徴です。大手術はもちろん虫垂炎、ヘルニアや骨折などの手術も相当数あります。さらに小児領域では、当院の小児外科で精力的に行っている漏斗胸手術(Nuss法)に対しての硬膜外麻酔併用全身麻酔、形成外科の口唇口蓋裂に対する手術の全身麻酔も数多く行っています。

 初期研修医は上級医と一緒に症例を担当しますが、後期研修医は原則として一人で担当することになります。当院ではスーパーバイザー2人制を敷いており、麻酔導入・覚醒時はもちろんのこと、常時きめ細かい指導の上での患者管理が行えるようにしております。

麻酔科管理症例(平成27年1月~12月)

集中治療

集中治療

 当院ICU・CCUは計10ベッドの集中治療医学会認定研修施設です。
日直1〜2名、当直2名の麻酔・集中治療科医師による運営で、主に心臓外科術後、脳外科術後、および感染症、呼吸不全などの内科的疾患を扱っています。術後管理は周術期医療として術中管理をICUという場所に移してきめ細かい管理で回復を図り、また術後管理の経験を術中管理にフィードバックするという信念で行っています。朝の各診療科とのカンファレンスおよびウォーキングラウンド、夕方のイブニングラウンドで治療方針の決定や患者経過の確認を行います。

 また循環器内科管理のCCUが併設しており、心臓超音波画像診断やPCPSなどの補助循環など循環器によるサポート、および持続血液透析を専門の腎臓・高血圧内科が担当し協力体制があることも特徴のひとつです。人工呼吸の基礎知識、持続血液透析の概念、重症患者の循環管理などを集中治療医学会専門医の指導のもとに学ぶことができます。

ペインクリニック

ペインクリニック

 ペインクリニックとは「痛み」の診断治療をする分野です。骨折や腹痛など、急な痛みを主訴として来院する患者さんに対しては、検査をして原因を調べます。痛みに対しては鎮痛薬を投与して、原因の治療をします。これは急性痛といい、原疾患が治癒すれば、痛みは消失します。

 3か月以上続く痛みのことを慢性痛といいます。慢性痛に対しても、急性痛の時と同じ診療をしていませんか?実は対応する方法はかなり違います。

 痛みの原因を調べることは大切です。しかし、原因がわかっても慢性痛は急性痛のように速やかによくなることは少ないのです。そのため慢性痛に対して鎮痛薬や鎮痛処置を長くしてしまいがちです。長期内服による薬の副作用が心配になります。そして、慢性痛の診療で最も大切なのは、心理的社会的な要素により大きく影響を受けることです。原因を検索する際、身体的なところだけでなく、患者さんの様々な背景を考えなければいけません。これを「生物心理社会モデル」といいます。

 欧米では、研修医にペインクリニックでの研修を義務付けているところもあります。痛みを診療するというのは、非常に多くの知識と労力が必要なのです。当科は生物心理社会モデルを用いて痛みで苦しむ患者さんを全人的に診療しています。

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